症例・傷病資料

2017年

3月

11日

スポーツと緊張

 

3月になってJリーグが開幕し、プロ野球もオープン戦が始まっています。

 

学生スポーツも、試合が多い季節になりました。

 

私は学生時代、重要な試合になると毎回緊張し、「俺ってメンタル弱いな~」と思っていました。

 

今の中高生でも同じような悩みを感じている人は多いと思います。

 

今回はそんな試合での「緊張」について、どのように向き合うかということをご紹介したいと思います。

 

 

 

まず誤解しないでいただきたいのは、

 

「緊張することは悪いことではない」という事です。

 

 

 

緊張とは、身体を戦える状態に整えるための反応です。

 

心臓がドキドキするのは、筋肉に血液を流し力を出しやすくするためであり

 

呼吸が早くなるのは、酸素を多く取り入れて頭の回転を上げ、力を発揮するため

 

脳では、アドレナリンが分泌され、集中力が高まっています

 

 

 

なので試合前に緊張していたら

 

「身体が戦う準備をしてくれている٩( ✛ω)و

 

と緊張していることを、持てる力をフルに発揮する準備が整っている証拠ととらえて下さい。

 

ちなみにウサイン・ボルト選手も現在の100m世界記録を出したレースでは、ものすごく緊張したそうです。

 

もし未だかつてない程緊張したときは、未だかつてないパフォーマンスが出るチャンスかもしれません!

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2017年

1月

11日

クロストレーニング

皆さんはニュースなどで、オフシーズンに野球選手がサッカーをしたり、サッカー選手が水泳をしたりと、自分の専門競技ではないスポーツをしているのを見たことはありますか?

 

実はこれ、「クロストレーニング」といってれっきとしたトレーニングなんです。


プロ選手や1つの競技に打ち込んでいるアスリートは、同じ競技動作を繰り返しているため、そのスポーツに特化した偏った筋肉のつき方や、偏った筋肉、関節の疲労を抱えています。

そのため、身体の偏ったバランスを戻しながら、心肺機能を維持する、心身のリフレッシュするなどの目的でオフシーズンにクロストレーニングを取り入れる選手が非常に多いです。


また小中学生は、様々なスポーツを体験することで多くの種類の動きを正確に行うことができるようになり、シンプルな身体をコントロールする能力が高まります!

そうすることで競技力の向上やケガを予防することができます。


現にアメリカのNBA等を統括する「USAバスケットボール」は

「6歳~14歳まではバスケットボールに専念せず、様々なスポーツを体験しよう」

いう指針を発表しています。


皆さんもこのオフシーズンに様々なスポーツを体験し、身体と心をリフレッシュさせながら、身体能力を高めてみてください‼

2016年

7月

20日

足関節捻挫 16歳男性 バレーボール

2ヶ月前に練習中のジャンプの着地を失敗した際に左足首を内側に捻り受傷。その後1ヶ月プレーを中断した後、痛みがなくなったためプレーに復帰しましたが、復帰後に再び痛みが出るようになったため来院されました。

 

初診

足関節外側の靭帯(踵と外側のくるぶしの間にある靭帯)の痛みや腱の硬さがあり、足関節の可動域制限がある状態。

プレーを中断していた期間にリハビリをしていなかったため、左のふくらはぎの筋力低下もありました。

今回から足関節の痛みを緩和させる徒手療法を行い、同時に下肢の筋力強化、足関節の可動域を向上を目的としたリハビリを開始しました。練習は足関節をテーピングで固定して痛みのない範囲で許可をしています。

 

1週間後

練習中に飛び込んでレシーブを繰り返し行い、右の殿部を何度も打ったため痛みが出ていました。

打撲部に腫れや硬さがある状態だったので、レシーブは飛び込んでしないように制限をかけています。

 

2週間後

治療は前回同様の内容で継続、リハビリメニューは更新です。

足関節のリハビリメニューに加えて、パフォーマンス向上を目的とした殿部の筋力強化のメニューを本日よりスタート。

 

3週間後

本日、走っていて止まろうとした時に左足首を再び内側に捻ってしまいました。

本日は腫れを抑えるためのアイシングと徒手療法を行い、日常生活は包帯で足関節を固定して経過をみます。

 

5週間後

今回は左膝の外側に痛みが出ていました。

圧痛が著明なところは太もも外側から膝の外側にかけて走行する腸脛靭帯という靭帯の付着部で、腸脛靭帯そのものにも緊張がある状態でした。治療は腸脛靭帯の緊張を緩和させる徒手療法を行いました。

※殿部の筋力や柔軟性が低下している時に繰り返しジャンプ動作などを繰り返し行うことで炎症を起こすことがあります。

 

6週間後

リハビリメニュー更新です。

本日よりジャンプ動作を行うメニューを追加して、足関節の安定性や殿部の筋力強化をしていきます。

 

現在も継続してパフォーマンス向上のために治療、リハビリを行っています。

 

捻挫をしてしまうと足関節周囲の筋や靭帯が引き伸ばされてしまい、それが原因となって足関節の安定性が低下しています。靭帯は一度伸びてしまうと元には戻りませんが、筋肉に関してはリハビリを行うことで足関節の安定性を向上させる事が出来ます。捻挫をしてしまった後の処置を怠ってしまうと再負傷してしまう原因になってしまうので、負傷後のケアをしっかり行うことが大切です。

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2016年

7月

13日

腰椎椎間板ヘルニア・右膝後十字靭帯損傷 47歳男性 フットサル

 

3月にフットサル中に膝を打ちつけ、後十字靭帯損傷。断裂はなし。

8月に介護職で利用者を持ち上げた際に腰を負傷。

その後、左下肢にしびれが出現。

病院にて治療、リハビリテーションは完了していました。 

大きなしびれや痛みはほとんど軽快していましたが、フットサルのプレー前後に左臀部にだるさが残存していました。

PCL損傷した右膝は不安定感、またそれをかばって動いていた為、大腿部外側の筋肉の筋緊張が高くなっておりハリ感や痛みが出ていました。

ストップ・方向転換・切り返し動作をより早く動きをよくするためのリハビリテーションも行いたいとのことで12月に来院されました。

 

初診

ヘルニアに関しては、股関節周囲の硬さ(特に左臀部)、左腰部の硬さが神経を圧迫しだるさが出ている状態。

膝は大腿部外側(大腿二頭筋健)に痛みがある状態。膝を深く曲げてくる動作で、大腿二頭筋腱が過緊張し痛みが出ていました。特にプレー前後にだるさ・痛みがあり動いていると消失、動かなくなるとまた出現という状態を繰り返していました。

 

股関節の硬さ・腰部の硬さをとる徒手療法と鍼治療を併行して行いました。

膝はテーピング指導、またサポーターの着用をすすめスポーツ用品店での試着を行って頂くよう指示をしました。

膝のテーピングはコチラ

 

1~2週目

車など長時間の座位姿勢(座った状態)が続くとまだだるさが出現するとのことでした。

初診同様の治療を週3回行います。

 

2週目最終日からはプレー中のだるさが少しマシになってきたので、リハビリテーションも開始です。

リハビリテーション1.2週目ではまず大腿部・臀部の筋力強化、バランス機能向上を目的にスタートさせます。

また大きな筋力低下があるわけではなく、プレーも制限なく行っていることもあり、ジャンプ動作は初回からメニューに組み込んでいきました。

リハビリテーション前は腰臀部・大腿外側のだるさがありましたが、リハビリテーション後は軽快していました。

自宅でも臀部の筋力強化のメニューを2種目行ってもらい、股関節周囲のストレッチも継続して行ってもらいました。

 

3~4週目

治療+リハビリテーションを週1回に減らし行っていきます。

フットサルのプレー前後の腰臀部のだるさも日に日に軽快してきました。

ジャンプ系のメニューでも膝に安定感がでてきました。

リハビリメニューはトレーニングに近い動きのものに移行していきます。

・ラダー

・ハードル走

・T字アジリティ―

・ライントレーニング

・サイドステップ・バック走→ストップ→逆方向にダッシュ

など

 

まずはスピードは50~70%で、「どちらの足で切り返せばよいか」「重心の移動」など、正確な動きを身につけます。

4週目はもう少しスピードを上げ80%で行います。

ちなみに簡単なステップメニュー(ライントレーニング)はフットサルのウォーミングアップでも行ってもらいました。

 

5~6週目

ステップ系の強度をフルまで上げていきます。

この頃には、プレー前後のだるさは完全に消失していたためリハビリテーションはここで終了です。

その後は週一回ペースで、コンディション維持の為来院されました。

 

 

5月にプレー前の痛みが再発してしました。

股関節のストレッチ・腰椎の動きを出す運動を行うと、痛みもすぐに軽快していきました。

現在はほとんど痛みなくフットサルをプレーされています。

 

運動を行うからにはウォーミングアップやクールダウン、セルフケアは必ずと言っていいほど行わなければいけません。

ケガの予防・パフォーマンス向上・集中力アップなど非常に良い効果も期待できます!

今行っている競技を少しでも長く楽しく続けられるように、今一度ご自身の運動習慣を見直してはいかがでしょうか。

 

 

 

 

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2016年

7月

02日

腸脛靭帯炎 16歳 サッカー

主訴

 

走り込み練習後に急に膝の外側が痛みだし数日経過しても膝の痛みが軽減しないため来院されました。

 

 

状態

 

膝の外側の痛みが強く、少し腫れもありました。

 

特に膝の曲げ伸ばしで膝外側の痛みが強くなります。

 

筋力や柔軟性をチェックしたところ、股関節の動きが全体的に悪く、腸脛靭帯もかなり硬くなっていました。

 

片脚立ちになった時も中殿筋というお尻の筋肉がうまく働いておらず体が少し傾くような姿勢になっていました。

 

※中殿筋の筋力低下があると腸脛靭帯に負担をかけてしまいます。

 

このことからお尻の筋肉の筋力低下と股関節の動きの悪さが腸脛靭帯に負担をかけ発症したと考えられました。

 

また大会前の大事な時期という事もあり、練習は休まず左膝をかばいながらプレーを続けていました。

 

 

初診

 

まずは硬くなってしまった腸脛靭帯や股関節周囲の筋肉のマッサージやストレッチをしていきます。

 

これで膝の曲げ伸ばしでの痛みが軽減しました。

 

リハビリも必要でしたがまずは痛みを軽減させる事を優先しこの日は治療のみです。

 

本人から大会前の大事な時期でメンバー発表までにできるだけアピールしたい為練習は休みたくないという要望がありました。

 

現在の膝の状態で無理にプレーをするよりも一度プレーを中止してリハビリをしてから復帰するのが理想的でしたが、練習に参加しながら治療とリハビリをする事になりました。

 

プレー中の痛みを少しでも軽減させるためテーピングの巻き方とストレッチの方法を伝えて帰ってもらいました。

 

 

4日後

 

膝の痛みをかばいながらプレーしている事をコーチに指摘され、膝が治るまでは練習に参加しないようにと言われ、練習は休み治療に専念する事になりました。

 

膝の痛みは少しマシでしたがまだ膝の曲げ伸ばしでの膝の痛みはありました。

 

 

1週間後

 

練習を休んでいる事もあり膝の曲げ伸ばしでの痛みは軽快していました。

 

ただ脚を踏み込んだり、片脚でスクワットなどをするとまだ痛みが出ます。

 

この日からリハビリの開始です。

 

リハビリの内容はお尻の筋肉の筋力強化と股関節の可動域改善をして腸脛靭帯への負担を減らす事です。

 

治療は硬くなってしまった腸脛靭帯や股関節周囲のマッサージやストレッチをしていきます。

 

休んでいる間グランドでしてもらうリハビリやストレッチのメニューを伝え帰ってもらいました。

 

 

2週間後

 

膝の痛みはかなり軽減しました。

 

リハビリやストレッチも真面目に頑張ってくれていた為、筋力や柔軟性も順調に向上しています。

 

これから段階的に復帰していきます。

 

まずは基礎練習とジョグのみで、ダッシュや長距離のランは禁止です。

 

 

16日後

 

基礎練習とジョグをしても膝の痛みが出ませんでした。

 

片脚立ちや片脚スクワットなどをしても中殿筋がうまく働き体が安定してきました。

 

次は練習に完全復帰です。

 

 

3週間後

 

練習に完全復帰できました。

 

膝の痛みも出ていません。

 

筋力や柔軟性も当初に比べるとかなり改善したので、これからは再発予防としてストレッチなどのセルフケアを継続するように伝え治療とリハビリはこれで卒業です。

 

 

この4か月後に腰の違和感で来院されたときも腸脛靭帯炎は一度も再発していなかったそうです。

 

 

腸脛靭帯炎は走り込みなどをすると一時的に痛みが強くなりますが、安静にしていると軽快する事が多いです。

 

ただ筋力や柔軟性などが改善していなければ再発する可能性が非常に高くなります。

 

なので一時的に痛みが軽減しても、しっかりとリハビリをしてから復帰する事が重要です。

 

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2016年

6月

25日

右股関節痛 50代女性 ランナー

主訴 右股関節痛

 

以前からランニング中に右股関節の痛みがあり、走る量を調整しながらしばらく続けておられました。

 

しかしフルマラソンに出場した後から痛みが強くなったため、整形外科を受診され、レントゲン検査の結果、骨や関節の異常はないとの診断を受けました。

 

その後もしばらく走るのをひかえていましたが、痛みが消失しないため来院されました。

状態

股関節の前から外側にかけて痛みがあり、特にランニング後は痛みが強くなって、翌日ぐらいまでは日常生活でも痛みを感じる状態でした。

 

股関節の動きも硬く、またおしりの筋肉も見た目で左右差がわかるぐらい弱った状態でした。

 

症状から関節唇という軟骨組織の損傷も考えられましたが、とりあえずリハビリと治療をしながら様子をみて、経過が良くなければMRI検査を受けるということで、患者さんご本人とお話し決定いたしました。

 

 

 

 

初診

 

しばらくの間痛みのある状態でランニングを続けていたこともあり、股関節周囲の筋肉が硬くなっていたため、まずはそれを改善していくためのマッサージやストレッチなどをおこなっていきました。

 

リハビリでは弱ったおしりの筋力強化と股関節の可動域拡大を目的としたメニューを中心にスタートです。

 

この時点では、1ヵ月半後のフルマラソンに出場予定だったため、ランニングは続けながら治療とリハビリを進めていきました。

 

 

 

4週間後

 

当初よりも痛みなく走れる距離は伸びてきていましたが、15㎞以上になるとやはり痛みがでてしまうため、予定していたフルマラソンは棄権することになりました。

 

次のレースまでは半年ほど期間があくので、患部を少し休ませるためランニングは1日置きぐらいで5㎞以下に制限してもらいました。

 

 

 

 

8週間後

 

約1か月間走る量を抑えていたので、患部の痛みや股関節周囲の硬さも改善してきました。

 

またおしりの筋力もアップしてきたため、股関節から体幹や太ももも含めたメニューを追加していきました。

 

ランニングも10㎞まで伸ばしました。

 

 

 

 

11週間後

 

15㎞弱走って少しおしりの筋肉のはりは出ましたが、痛みはありません。

 

 

 

 

13週間後

 

平日は67㎞、週末1618㎞の距離で毎週練習し始めました。

 

走った後のはり感のみで、痛みはありません。

 

 

 

 

16週間後

 

20㎞走ってもランニング後のはり感のみで、特に痛みはありません。

 

 

 

 

 

 

現在は少しずつスピードも上げながら練習を続けておられます。

 

これまでも走るのを中止して一時的に痛みがおさまる事はあったようですが、ランニングを再開すると再び痛みが出ていました。しかし今回は、部股関節の可動域と筋力がしっかりアップしたことで、ランニング再開後も痛みを出さずに続けられています。

 

一時的に休ませることで改善する痛みもありますが、何度も繰り返すような痛みはやはり根本的な解決が必要です。

 

痛みを抱えている期間が長ければ長いほど、復帰までにかかる時間も長くなってしますので、なかなか改善がみられないケガや痛みは早めに専門家に診てもらうことが大切です!

 

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2016年

6月

15日

右ハムストリングス肉離れ 19歳男性 野球

部活を引退後、久しぶりに練習に参加して走った際に右の太もも裏の筋肉(ハムストリングス)を傷め、来院されました。

患部を押さえた時の痛みや、ハムストリングに力を入れた時の痛みはありますが、腫れやストレッチ時の痛みもなく、損傷程度は比較的軽い状態でした。

初診
右のハムストリングスの痛みや緊張を緩和するための徒手療法と鍼治療を併用しておこないます。
1週間後
本日、ノック練習中に右の太ももをかばって走り、左のふくらはぎを負傷してしまいました。
爪先立ちすると痛みが伴い、ストレッチをかけると痛みが増悪する状態でした。
治療はハムストリングスの徒手療法に加えて、左のふくらはぎの痛みを緩和させる徒手療法を行ないます。(週4~5日)
2週間後
ハムストリングスとふくらはぎの治療は継続。
爪先立ちをした時の痛みも軽減してきたので、次回より競技復帰に向けてのリハビリを開始します。
3週間後
今週よりリハビリ開始です。
リハビリのメニューに加えて、パフォーマンスアップの為のトレーニングも並行して実施。
メニューはカーフレイズやヒップリフトなど行い、ハムストリングスやふくらはぎの筋力強化をメインに週2~3日で行います。
5週間後
リハビリのメニュー更新です。殿部の筋力強化のメニューを追加して行います。
本日よりランニングでのダッシュを許可しています。
6週間後
リハビリのメニュー更新です。
体幹の筋力強化のメニューを追加して行います。
7週間後
リハビリのメニュー更新です。
リハビリは今回の更新で最終段階になります。メニューはロシアンハムストリングス、ブルガリアンジャンプスクワットなどハムストリングスに高い負荷(遠心性収縮)をかけて、競技復帰に向けて準備していきます。
プレーに復帰して試合にも出場していますが、再負傷もせずにプレーできています。
現在はパフォーマンスアップのため、トレーニングを継続中です。
ハムストリングスやふくらはぎは肉離れを起こしやすい筋肉です。
肉離れは急激に筋肉が引き伸ばされて起こるもので、筋肉の柔軟性が低下している時や疲労が蓄積している時に起こりやすいケガのひとつです。予防としてテーピングやサポーターを使用してプレーすることもありますが、普段からストレッチやセルフケアで疲労を蓄積させないことや、プレー前のウォーミングアップをしっかり行うことも予防になります。
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2016年

5月

27日

腰椎椎間板ヘルニア 14歳 ラグビー

主訴

2ヶ月前から腰の痛みと左脚のしびれが出始め、約2ヶ月プレー中止していたが軽快しないため受診。

当院受診前に整形外科にて腰椎椎間板ヘルニアと診断

 

状態

前屈では指先が膝に付くぐらいで左腰に痛みがあり、仰向けで寝ている状態から約30°脚をあげるとしびれが出る状態。

左腰〜お尻の筋肉の硬さが強く、ヘルニアによる神経の痛みと筋肉の硬さによる痛みが両方ありました。

また、股関節の動きが制限されていたり、体幹の筋力の弱さもありラグビーの激しいプレーに耐えられる体ではありませんでした。

 

初診

ラグビー復帰に向けての治療とリハビリスタートです

治療は腰〜骨盤、股関節周囲の筋肉の硬さをとるための徒手療法やストレッチなどをしていきます。

特にお尻の筋肉の硬さは股関節の動きを制限するのでお尻の筋肉にはしっかりとアプローチしていきます。

また、股関節の動きが制限されていると腰への負担が増えるので、股関節の可動域改善、腰〜骨盤、股関節周囲の筋緊張の緩和をしていきます。

リハビリはラグビーのタックルやスクラムなどにも耐えることが出来るように体幹の筋力強化をしていきます。

最初は腰に負担をかけないように負荷の低い体幹強化のメニューをしていきます。

まずはお腹のインナーマッスルを鍛えて体幹の安定性を向上していきます。

お腹のインナーマッスルの強化メニューはこちらをご覧下さい

最終的には、徐々に負荷を上げてよりラグビーに近い動作で体幹の強化をして競技復帰を目指します。

※リハビリは全て腰の痛みのない範囲で行います。

 

1週間後

まだ腰の痛みや脚のしびれはありますが前回よりも仰向けで寝た状態から脚が上がるようになりましたこれは神経の痛みが軽減している事を意味しています。

いい調子です。

リハビリはまだ負荷を上げずに体幹強化のメニューをしていきます。

 

2週間後

前屈での腰の痛みが軽減してきました。

初診時は指先が膝に付くぐらいで痛みがありましたが、現在はスネの中央あたりまで指先が付くようになりました。あと仰向けで寝た状態から脚を上げてもしびれが出なくなりました。

リハビリは少し負荷を上げて動きをつけながら体幹の強化をしていきます。

ラグビーの複雑な動きの中でも安定した強い体幹を獲得するためにおこないます。

 

3週間後

脚のしびれは完全に無くなりました。

腰の痛みはまだありますが指先が床に付くようになりました。体幹の筋力も順調に向上していますが股関節の可動域が復帰するためには十分ではないので自宅でもストレッチなどをしてもらい可動域を改善していきます。

リハビリは腰の痛みが軽減してきたのでさらに負荷を上げたコアトレーニングをしていきます。

コアトレーニングの詳細はこちらをご覧下さい

コアトレーニングは腰に痛みがある時は行わないでください 

4週間後

腰の痛み、脚のしびれは完全になくなりました。

関節の可動域も改善してきたためリハビリの負荷をあげ、より競技中の動作に近い状態での筋力強化をおこない競技復帰を目指します。

 

5週間後

タックルなどのあたり以外の練習に部分的に復帰できました!

腰の痛みやしびれはでていません。

体幹の筋力、股関節の可動域も良好です。

 

6週間後

全ての練習メニューに参加できました!

腰の痛みやしびれもでていません。

ただ練習後に腰〜お尻の筋肉の硬さがでて前屈の可動域が悪くなっていたので、マッサージやストレッチなどのケアをおこないます。

練習には復帰しましたが再発予防のためにリハビリとケアは継続しておこなっていきます。

 

12週間後

無事に試合にも出場しました!

試合中や試合後も腰の痛みやしびれはでていません。

股関節の可動域、体幹の筋力も当初に比べるとかなり向上したのでこの段階でリハビリは終了です。

ただ競技復帰した後も、体幹の筋力が弱くなってきたり股関節の可動域が悪くなってくると再発の可能性があるのでこれからもグランドや自宅で再発予防のためのリハビリやセルフケアを行って頂きます。

 

腰椎椎間板ヘルニアが起こる原因は多岐にわたりますが、股関節の可動域の悪さや体幹の筋力の弱さなどがある場合は腰への負担が大きくなりヘルニア発症のリスクを高めてしまいます。ラグビーなどのコンタクトスポーツでは特に体幹筋力や股関節の可動域が非常に重要になります。

 

※腰椎椎間板ヘルニアの詳細についてはこちらをご覧下さい

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2016年

5月

27日

左鎖骨骨折 15歳男性 野球

守備練習中、捕球の際ボールがイレギュラーし左鎖骨に当たり受傷。

受傷から2週間経っても痛みが変わらないため来院。

 

初診

左肩の関節可動域は問題なし。動作時の痛みも伴わない。

やや鎖骨に腫れと圧痛はみられたが、受傷後のプレーも問題なく行っていたこともあり、運動制限はなし。

投球時やスイングで痛みが強くなるのであればプレーは中止。

 

4日後

打撃練習中、スイングした際に痛みが強くなり整形外科へ受診。

レントゲンの結果、左鎖骨骨折と診断。

バストバンド+三角巾で固定し、約2週間安静。

 

1.5週目

当院へ再受診。この日から骨折用超音波治療器のみでの施術を開始。

後日、整形外科へ再受診。

骨折部の転移・骨折線の貫通もなく、骨癒合も良好。

軽いキャッチボール・スイングは許可。

バストバンド+三角巾での固定除去。

肩関節・肘関節に大きな可動域制限はないが、前腕・上腕にやや筋力低下は見られる。

 

翌日からリハビリテーション開始(30分)。

腕立てなど床に腕をついたりして鎖骨に大きな外力がかかる運動はなし。

肩のインナーマッスルの強化、鎖骨に痛みや大きな外力がかからない程度で肩を動かす可動域訓練を行う。

週2回のペースでリハビリテーション・超音波治療、リハビリをしない日にも週2~3回超音波治療を行う。(超音波治療は実質週4~5回)

 

3週目(受傷から約1ヶ月)

整形外科での再診。

骨癒合は良好、骨折線は残存。

腕立てなど手をついての運動許可、練習復帰許可。

3週間後整形外科に再診予定。

 

ここから当院で行っていたトレーニング(90分)を再開。

患部周囲のトレーニングに加え、下肢や体幹の患部外トレーニングも行う。

患部のトレーニングでは、腕立て伏せやサイドレイズなど(鎖骨に対して大きく体重が乗ったり、鎖骨の前後・垂直・回旋の動きを伴うトレーニング)。

治療としては、2週間固定していた為、前胸部や頸背部の筋の硬さを緩和させる徒手療法も

超音波治療と併行して2~3回のペースで行う。

この時点でフルスイングで少し怖さが残るが、投球は問題なし。

 

6週目

整形外科での最終診察。

骨折線も消失、次回再診もなし。

フルスイングでの患部の恐怖心は消失。トレーニングで重たい重量を持つとやや怖さがでるが痛みはなし。

超音波治療器による施術も終了。

 

 

・骨折時のリハビリテーションについて

リハビリが遅れると機能回復に支障をきたすおそれがあります。
長期間固定することによって、筋肉の量が減って細くなる(萎縮)ほか、関節も固定した場合は固まって動きが悪くなる(拘縮)ことがあります。
リハビリは、このような状態から筋肉や関節を回復させ、もとの機能を取り戻すためのものです。

骨折部の安静を保ちながら、それ以外の部分は早期から動かすリハビリによって、骨折部の血行もよくなり、骨の癒合が促されるというメリットもあります!

 

早く復帰したいといって、ドクターの指示なしにむやみにリハビリを行うと再負傷や再骨折

 などの危険があります! 

 必ず専門の先生に診てもらい、きっちりと段階的に治療・リハビリを行う事が復帰への近道

 となります!

 

 ・骨折用超音波治療器について

当院では骨折に対する積極的な治療法として、超音波治療器(オステオトロンⅣ)を使用しています。
超音波骨折治療法とは、出力の弱い超音波を20分間断続的に発振することで、骨折部位に音圧刺激を与え、骨の癒合を促進します。
超音波治療を行うことで、骨癒合期間を最大で約40%短縮することができます。
外傷性の骨折だけでなく、疲労骨折にも効果的です。微弱な刺激なので痛みなどを感じることはありません。

 

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2016年

5月

18日

右膝外側半月板損傷 19歳男性 フットサル

フットサルの練習中シュートした際に膝を伸ばしきって負傷しました。

2週間後練習を再開しましたが、その初日にボールを蹴って再び痛みが走ったため来院されました。

初診

歩く時の痛みと膝関節全体の腫れがあり、曲げ伸ばしも完全にはできない状態でした。

症状と所見から半月板損傷が疑われたため、画像診断(MRIなど)が必要と判断し整形外科へ紹介しました。

1週間後

MRI検査の結果、外側半月板損傷と診断されました。

医師からは、まずはリハビリをして経過をみて、痛みが取れずにスポーツ復帰ができなければ手術が必要とのことでした。

損傷の程度から即手術ではなく、リハビリで復帰できる可能性があったことは幸いでした。

2週間後

復帰に向けてリハビリ開始です( ̄▢ ̄)/

まだ関節の腫れや痛みもあったので、足を地面につけない状態(関節に負荷をかけない状態)で太ももやおしりの筋力強化です。

治療は、関節周囲の筋肉が硬くなることで発生する、二次的な痛みを緩和させるための軽めのマッサージです。

3週間後

歩く時の痛みはほぼ消えましたが、関節の腫れはまだ残っています。

曲げ伸ばしもかなりできるようになっており、体重をかけなければ曲げるのは最後まで可能になりました。

しかし膝を伸ばしきるのは、半月板の損傷部をはさみ込むような形になるので、やはりまだ少し痛みます。

 

リハビリは足を床についてのおしりや太ももの筋力強化開始です。また踏み込み時に膝が内側に入ってしまうので、そういった動きの修正もおこなっていきます。

4週間後

膝を伸ばしきった際に違和感がでますが、痛みはもうありません。

 

リハビリはジャンプ開始です!

太ももへのより高い負荷と股関節、膝関節、足関節の連動性を高めます。

また軽いステップ系のメニューやグランドでのジョグも開始です!

思ったよりも痛みが出ず経過良好なため、リハビリも予定より早めに進んでいます♪

5週間後

膝の痛みや腫れもなく順調にリハビリ進んでいます。

 

リハビリはここからアスレティックリハビリテーションへと移行していきます。

アスレティックリハビリテーションとは、スポーツ復帰へ向け競技の特性を踏まえて、必要な動きを獲得していくためにおこなうリハビリです。

日常生活レベルであれば、ここまでのリハビリは必要ありませんが、ケガ前のパフォーマンスを取り戻し、スポーツ復帰後の再発を防ぐには必須です!

 

リハビリは、競技中の体勢に近い状態での筋力強化や複合的なジャンプ、ステップ動作をおこないます。

グランドではダッシュやキックなどの強度を日々上げながら、対人以外メニューまでは全て参加していきました。

6週間後

ゲーム以外の全ての練習メニューへ参加できました。

膝の状態は良好ですが、運動後に周囲の筋肉や腱が硬くなり違和感がでるので、マッサージやストレッチなどのケアをおこないます。

 

リハビリはゲームへの復帰に向けての最終段階です。

トレーニングに近い負荷の高いメニューでケガ前以上のパフォーマンスを発揮できるよう体幹から下半身全体を鍛えていきます。

8週間後

ゲームへの出場も無事果たし、完全復帰できました(^O^)/

痛みもなくパフォーマンスも十分発揮できています!

 

この段階でリハビリは終了しました。

本人からパフォーマンスアップのためにトレーニングを継続したいとの希望があったため、その後は週1~2回の頻度でトレーニングを開始しました!

ケガをきっかけにトレーニングの必要性を理解して、積極的に取り入れてくれるようになるのは非常に嬉しいことです(*^^*)

復帰後

その後復帰してから2回ほど膝をひねって立ち上がった際に、膝の痛みと腫れが出ました。

いずれも長期の離脱にはならず、負傷から5か月経った現在もプレイはしっかりできています。

しかし半月板のキズ自体が元通りになったわけではないため、今後も何かのきっかけで痛みや腫れがでる可能性があることは、選手にも理解してもらいながらプレイしてもらっています。

特に練習量が多くなって疲れがたまっている時などは要注意なので、現在も定期的にコンディショニングをおこないながらフォローしています。

 

 

今回は手術をせずに復帰できた膝の半月板損傷の一例を紹介いたしました。

手術をしなければ難しい半月板損傷も多くありますが、このようにリハビリで競技復帰できるものも十分あります。

半月板損傷は医師の判断が必要なケガですので、当院では病院としっかり連携をとりながら、最善の方法で治していけるよう取り組んでおります。

 

半月板損傷について詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい

2016年

5月

11日

右肘 肘頭疲労骨折 14歳男性 野球

右肘 肘頭疲労骨折 14歳男性 野球

主訴:右肘の痛み

2週間前からボールを投げる時に右肘に痛みが出るようになり、まだボール投げられる状態ではあるが、徐々に痛みが増しているため来院。

 

状態:右肘周囲の筋肉に筋緊張があり、肘の曲げ伸ばし共に可動域制限あり。肩甲骨周囲の筋肉に筋力低下があるため、肩関節の可動域が悪い状態。

 

初診

来院初日より右肘周囲の筋緊張緩和、肩関節の可動域改善のための徒手療法、肩甲骨の安定性向上を目的とした筋力強化のトレーニングを開始。                   

 

1週間後                                                                              本日10mほどの距離で投球した際、右肘内側に痛みが出たため、平日は投げずに週末の試合のみ投げるよう投球制限を開始。

肩、肘への徒手療法、トレーニングは継続。

 

2週間後

週末10m以下で投球したが、肘の痛みは変わらずあるため、引き続き平日の投球制限を実施。

 

3週間後

徐々に投球時の痛みは軽減するも、完全に消失しないため医療機関での精査が必要と判断し、整形外科へ紹介。

 

4週間後

レントゲン撮影の結果、肘頭疲労骨折と診断。骨が癒合するまでスイング、投球ともに中止。

本日より骨の癒合を促す効果のある超音波治療を開始。同時に肘にかかる負担を軽減する為にフォームの改善をトレーニングに追加。1か月後に再度レントゲン撮影。

 

8週間後

レントゲン撮影の結果、骨は癒合しており経過は良好。ドクターより遠投以外の野球のプレーは許可。

復帰に向けて投球数、距離を徐々に上げていく投球プログラムを使用開始。

※塁間2/3 30球からスタート

 

12週間後

ピッチングと遠投はまだフォームが修正しきれていないことと、肘への負担を考慮して禁止。

投球時の痛みはなく、キャッチャーでの試合出場中。

夏の大会ではピッチャーでの出場を予定しているため、それに向けての再発防止、パフォーマンス向上のためトレーニングを継続中。

 

肘頭疲労骨折には色々な原因がありますが、今回の症例では投球時に肘が上がりきらずに、肩を使わず肘だけを使うようなフォームで投球を続けたのが原因だと思われます。上手く体を使って投げるフォームになれば、肘の痛みもなくなってくるので、早い段階でのフォーム改善が重要になってきます。

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2016年

5月

05日

右足首 捻挫 19歳女性 ボルタリング

主訴

11月中頃、ボルタリング中に転落。

着地の際、足首がひねられた状態で着地し足首の外側の靭帯を断裂、内側の靭帯も部分断裂。

整形外科にて3週間のギブス固定。

固定除去後、右足への荷重が痛みや怖さでできず、足を引きずりながらの歩行であったためリハビリ・治療を希望し12月に来院。

ボルタリングをしっかりと行えるよう、また再受傷しないことを目指してリハビリ・治療開始。

 

状態

右足への荷重が痛みや怖さでできず、足を引きずりながらの歩行。

靭帯部分の痛みに加え、周囲の筋肉や腱にストレスがかかり硬くなって痛みが出ている状態。

右足をかばって左足にも同じような筋肉や腱の痛みあり。

 

初診

足関節周囲の筋肉や腱の硬さを緩和させるような徒手・温熱療法を行う。

リハビリテーションも同時に開始。

足趾の動き・足首自体の動きをだすようなリハビリテーション、右足への全荷重は本人が怖がる為、座った状態で足踏みなど部分荷重を行う。

ボルタリングは約4週間中止。

※足関節のリハビリテーションの動画はこちら

 

2週目

治療内容は変更なし。

立った状態で右足に体重を乗せることが出来る。筋肉や腱の痛みは残存しているが、怖さはほぼ消失。

リハビリでは壁を持ちながらの片足立ちや、カーフレイズで下腿や足関節周囲の筋力強化を引き続き行う。

殿筋や大腿部の筋力も元々あるほうではなかった為、そちらの筋力強化もメニューに入れていく。

 

4週目

片足立ちは壁を持たなくても立てるようにまで、また踏ん張りや軽い両足ジャンプができるまで回復。日常生活も問題なし。

足関節の可動域もほぼ左右差ないところまで戻ってきたので、バランスディスクでのよりボルタリングで必要な足をかけての踏ん張りや着地の動きを低負荷で行っていく。着地での痛みはないが怖さが残存。

ボルタリングは初心者のコースに限りOK。

 

5週目以降

高い位置から・片足での着地やジャンプも問題なく可能。

怖さや痛みも消失し足のリハビリは5週目で終了。殿筋や大腿部の筋力強化を引き続き行ったため、7週目(約2か月)で全てのリハビリテーションは終了。

 

 

足関節捻挫でゆるくなってしまった靭帯は戻ることありませんが、周囲の筋力強化をすることで安定感を取り戻せたり再受傷の予防にもなります。

捻挫をしてしまった、捻挫を繰り返しているという方は、積極的にリハビリを行う事をお勧めします。

 

 

 足関節捻挫に関しての詳細はこちらをご覧下さい。

 

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2016年

5月

05日

右膝 オスグット病 13歳男性 サッカー

※オスグット病とは、膝のお皿の下の骨が痛くなる成長期特有のスポーツ傷害です。

太もも前面の筋肉が硬くなり、骨を引っ張る事で発症すると言われています。

 

主訴

3ヶ月前から膝の痛みでダッシュやシュートなどが出来ず痛みが徐々に強くなってきており来院。

 

 

状態

 

股関節の可動域制限やお尻の筋肉の弱さが原因で太もも前の筋肉に負担のかかりやすい動きになっておりオスグッドを発症したと判断。

 

 

初診

 

来院初日から股関節の可動域改善、太もも前面の筋肉の硬さをとる為の徒手療法とお尻の筋肉の筋力UP、太もも前面の筋肉を過度に使ってしまう動きの改善を目的としたリハビリを開始。

 

約4週間練習を中止し、週2回のペースで来院。

 

また自宅で出来るセルフケアとエクササイズを指導。

 

 

4週間後
股関節の可動域、筋力ともに向上し太もも前面の筋肉に負担のかかる動き方も改善してきたためジョグとインサイドパスのみ許可し、段階的に練習に復帰。

 

練習中の痛みなし、練習後に軽度の痛みあり。

 

 

5週間後

 

50〜80%のダッシュとインステップパスを許可。

 

練習後に軽度の痛みあり。

 

 

6週間後

 

練習制限なし。完全復帰

 

やや痛みあるもののプレーには問題なし。

 

 

7週間後

 

プレーに影響なし。
サッカー中の膝の痛みも軽快してきたのでリハビリは卒業。
再発予防、パフォ―マンスUPの為のトレーニングを継続中。
オスグットは、マッサージやストレッチだけでは改善しにくく、太もも前面の筋肉を過度に使ってしまう動き方に原因があります。
一時的に安静にしても練習を再開すると再び痛みが出るのは、筋力や柔軟性、太もも前面の筋肉を過度に使ってしまう動き方などの根本的な原因が解決していないためだと考えられます。

 

2016年

4月

21日

右肩インピンジメント症候群 18歳女性 バレーボール

主訴:右肩の痛み

高校2年生の時からバレーボール中のサーブやレシーブ(ワンハンドで飛び込むような)での痛みがあり、その状態のまま引退までプレイを続けていました。引退後はバレーの練習量もかなり減りましたが、痛みは消えずに残ったままでした。

大学でもバレーを続けるため、ちゃんと肩を治したいとのことで来院されました。

【症状・状態】

肩をひねる動きや手のひらを下にした状態で挙上した際に、特に強い痛みあり。

肩関節や周囲の筋肉(特に後方)に硬さがあり、正しい肩関節の動きに支障あり。

肩関節のインナーマッスルや背中の筋力低下あり。

 

【経過】

初診

来院初日より肩関節の硬さを改善する為の徒手療法と筋力強化のリハビリを開始。

バレーの練習は約4週間中止し、週1~2回のペースで来院。

 

2週間後

日常生活中の手を上げる動作での痛み消失。

まだ肩関節自体の動きが不十分なため、そこの動きを出せるようにするための徒手療法継続。

リハビリはインナーの強化と肩甲骨の安定性、固定力強化。

 

4週間後

練習再開。プレイ中の痛みはほとんどなし。

ただ肩周りの筋肉が硬くなるとやや可動域が低下するため、周囲の筋緊張を緩和させるための施術を継続。

リハビリはよりバレーボール中の姿勢に近い形でのインナー強化と、肩関節周囲全体の筋力強化。

 

6週間後

合宿参加。プレイ中の痛みは全くなし。

筋力も左側とほぼ同じぐらいまで向上。

再発を予防するには、もう少し強化が必要なためリハビリは継続。

 

7週間後

強度の高い練習をして痛みが出現。一時的なもので、治療翌日には消失。

 

8週間後

痛みもなくプレイできており、可動域や筋力も改善したため治療、リハビリは終了。

ただしコンディショニングとして自分でストレッチやトレーニングを継続して頂くようメニューを数種類指導。

 

 

かなり長い期間痛みを抱えていたため、一度プレイを完全に中止して患部の安静をはかる必要がありましたが、ちょうど高校から大学にあがるタイミングで練習を中止しやすかったことは幸いでした。

インピンジメント症候群は運動量を落として一時的に痛みが消失しても、筋力や可動域などが不十分のままでは再発を繰り返すスポーツ障害のひとつです。今回のケースでは通院中も自宅などでしっかりとリハビリをおこなってくれていた為、プレイ再開後もほとんど痛みがでず、スムーズに復帰できました。

 

 

※肩のインピンジメント症候群の詳細はこちらをご覧下さい

2016年

1月

18日

ラントレーニングの効果

 

冬場は試合も少ないためトレーニング期として、かなり激しい長距離走やダッシュ等のランメニューを実施しているチームが多いと思います。

 

体力をつけなくてはいけないという事はわかっていても、この時期のトレーニングはかなりハードなため、憂鬱な気分になっている選手も多いかと思います。

 

 

 

そこで今回は、ラントレーニングの「体力をつける」以外の一般的にはあまり知られていない重要な効果をご紹介しようと思います。

 

 

 

 

 

まず筋肉を動かす為には、酸素やエネルギー等が必要です。

 

それらは血液によって筋肉まで運ばれ、筋肉内の毛細血管を通じて筋肉のすみずみまで行きわたります。

 

 

激しいラントレーニングをすると、だんだんと酸素やエネルギーなどの供給が追い付かなくなり、筋肉は酸素やエネルギーが不足した状態になります。
これを繰り返すと身体はその状態に適応しようと、ある重要な変化を起こします!

 

 

それが「毛細血管新生」です。

これにより筋肉の中にある毛細血管の数が増加し、各細胞に酸素やエネルギーなどを供給しやすくなります。

 

 

 

この「毛細血管新生」が起きるとどんないいことがあるのか?

 

 

 

 

①スタミナの向上

 

筋肉に酸素やエネルギーが運ばれやすくなるため、当然筋肉を動かせる時間が長くなります。この効果は当然のものとしてほとんどの方が知っていると思います。しかし、他にもまだまだいい事があります。

 

 

 

 

②筋肉の成長スピードアップ

 

血液によって運ばれるのは酸素等だけではなく、筋肉を修復、成長させるタンパク質もあります。これらが筋肉内に運ばれやすくなることで、筋肉の成長スピードが速くなり、筋力トレーニングの効果が出やすくなります。

 

 

 

 

③回復力向上

 

血液は栄養を運んできてくれるだけではなく、筋肉で発生した疲労物質を持ち去る働きもあります。
筋肉内の毛細血管が増えれば、それだけ疲労物質も出ていきやすくなり、回復も早くなります。

 

 

 

 

このように冬場の激しいラントレーニングには、スタミナを向上させる以外にも重要な効果が多くあり、それは今後の技術練習や筋力トレーニングの効果を大きく引き上げるものです。


ラントレーニングが辛いことに変わりはありませんが、これらの効果を知っていればラントレーニングに対するモチベーションも少しは変わるのではないでしょうか…。

 

春におとずれる身体の変化を楽しみに、もう少し頑張ってみて下さいね!

 

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2015年

12月

04日

筋トレと身長

子どものときに筋トレをすると身長が伸びなくなるのは本当でしょうか?

 

結論から言うと、
「子供の頃筋力トレーニングを行うと身長が伸びない」説には統計的な裏付けはありません

 

 子どもが筋トレをすると

「筋肉が太くなるにつれて骨を抑えつける力が加わり、骨の成長を妨げるのではないか」

と疑問視するウワサがあり、

それが「子供の頃筋力トレーニングを行うと身長が伸びない」説につながっています。

しかし、研究では筋肉が骨を抑えつける力より、骨が成長しようとする力のほうがはるかに強いという結果が出ています。

それどころか、適度な運動やトレーニングは、身長を伸ばすのに必要な成長ホルモンの分泌を促進させる効果があります。

 

 

また「筋肉をつけると身長が伸びない」と勘違いされることも多いですが、

 

「筋肉の増加⇒身長の停止」ではなく、「身長の停止⇒筋肉の増量」が正解です

 

子どもの頃には筋トレをしてもほとんど筋肉がつきません。

高校生ぐらいになり、身体が大人に近づく時期に筋肉も大きくなります。つまり身長が止まりだしてから筋肉は大きく発達し出すのです。

だからと言って筋肉が大きくならない時期のトレーニングに意味がないということは全くありません。発揮できるパワー=筋力は十分アップします!

しかし成長期のトレーニングで注意すべきことがあります。

それは関節や骨に負荷をかけすぎない事です。
成長期の骨の両端には骨端軟骨という組織が存在します。この部分は通常の骨に比べ弱いため、
過剰な負荷や回数、また間違ったフォームでトレーニングをおこなうとそこに負担がかかり傷めてしまいます。

成長期に正しいトレーニングを適切な負荷や回数でおこなうことは非常に効果的です!

しかし間違った方法でおこなうと身体を傷めてしまう可能性は大人よりもはるかに高いので、その部分は十分注意して下さい。


2014年

11月

14日

椎間板ヘルニア

 ヘルニアとは体内の臓器などが本来あるべき部位から脱出した状態を指し、体腔内の裂隙に迷入したものを内ヘルニア、体腔外に逸脱したものを外ヘルニアと呼びます。椎間板ヘルニアはそのヘルニアの一種で、椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出した状態のことです。

椎間板の構造

  • 中心部にあるゲル状の髄核と周辺部の線維輪、上下の硝子軟骨終盤から成る

  • 線維輪における線維の構造は層ごとに交差し、強靭な構造となる

  • 引っ張り力、圧縮力、剪断力などが複合した荷重を受ける

  • 体重や地面からの衝撃を吸収するクッションの役割を果たす
  • 成人の椎間板には血管、神経は存在しない
  • 血流が乏しいため、変性性変化を生じやすい
  • 椎間板に対する荷重のストレスに加えて回旋力(野球やテニス、ゴルフなどの捻り動作)が作用することにより、線維輪の破綻や髄核の移動・脱出が発生しやすい


腰椎椎間板ヘルニア

≪病態≫

  • 第4‐5腰椎間で最も多く発生

  • 3040歳で好発

  • 変性あるいは外傷により、線維輪に小さな亀裂や断裂が生じることから発生

  • ヘルニアが脊柱管内に飛び出し、神経根や馬尾を圧迫して神経症状が生じる

  • 線維輪の変性が見られない10歳代でのヘルニアの発生には、椎間板に対する一時的な外力の作用による線維輪の損傷が考えられる(例えばスポーツでの接触プレーや高所からの転落など)

  • 15歳以下の若年スポーツ選手では椎体にある成長軟骨の離開を伴う例が多くみられる

≪分類≫

①椎間板膨隆型:線維輪はまだ完全な破綻には至っていない

②後縦靭帯下突出型:線維輪は破綻しているが、後縦靭帯は温存されている

③経後縦靭帯脱出型:後縦靭帯も突破している

④遊離(分離)型:脱出した髄核が遊離し移動したもの


 髄核が飛び出すと炎症反応が起こり、白血球内のマクロファージの働きが活発になります。このマクロファージは異物を食べる働きを持つことから、飛び出した髄核を異物とみなして、食べて吸収してしまうのです。そのため脱出・遊離したヘルニアの方が、自然吸収や縮小が起こりやすいとされています。


≪症状≫

  • 腰痛、下肢痛、しびれ感が特徴的な自覚症状

  • 体幹前屈時の痛み

  • 下肢神経症状(筋力低下、腱反射の低下・消失、知覚低下)

神経圧迫部位

筋力低下

知覚低下

L3-4L4神経根)

大腿四頭筋・前脛骨筋

(膝が伸ばしにくい)

すねの内側

L4-5L5神経根)

長母趾伸筋

(足首や指が上がらない)

足の甲

L5-S1S1神経根)

長短腓骨筋・長母趾屈筋

(足の指が曲げにくい)

足の外側

足の裏

  • 膀胱直腸傷害(重度の椎間板ヘルニアが原因で脊髄反射中枢の働きが阻害され、排尿や排便が思うように機能しなくなってしまうこと。13%の頻度で発生。)

≪治療方法≫

  • 基本は保存的治療

  • 発症後36か月の間でヘルニアが自然吸収、縮小される

  • 腹圧の維持や上昇に寄与する筋力(腹横筋や内外腹斜筋など体幹のインナー)を強化することで、椎間板ヘルニアの発生を抑制する

  • 保存療法で症状の軽快がみられない場合、進行する重度の神経症状を有する場合は手術適応となる

  • 膀胱直腸傷害を伴う場合は直ちに手術的治療へ変更

頸椎椎間板ヘルニア

≪病態≫

  • 第5‐6頚椎間で最も多く発生

  • 4050歳で好発

  • 10歳代での発生例は皆無であり、20歳代もまれ

  • 腰椎の椎間板変性が20歳代に始まるのに比べ、頸椎は10年遅く、そのため中高年層での発生が多い

  • しばしば神経根と脊髄を圧迫して、それぞれ神経根症、脊髄症の症候群を引き起こす

≪症状・治療方法≫

  • 頸部痛、上肢痛、手指のしびれ

  • 上肢神経症状(筋力低下、腱反射の低下・消失、知覚低下)

  • 脊髄症型では手指の巧緻性傷害(手指のもつれ、箸使いやボタンはめが困難など)、性歩行(足のひきずり、もつれなど)、下肢や体幹に及ぶしびれ、排尿障害などが出現

  • 神経根症であればまず保存的治療を行うのが原則で、脊髄症であればほとんどで手術が適応される

胸椎椎間板ヘルニア

  • 発生頻度が100万人に1人と非常にまれ

  • 40歳以降の中高年に多い

  • 背部痛や胸部痛、下肢の感覚障害が主訴

  • 下肢筋力低下や痙性歩行、排尿障害などが出現することもある

  • 保存療法が無効な場合が多く、手術的治療が必要

当院での症例です。

受傷から復帰までの経過を載せております↓

腰椎椎間板ヘルニア 14歳男子 ラグビー

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2014年

11月

07日

膝関節の半月板損傷

〈半月板とは〉

 

膝関節の左右に三日月状の板が円環状に位置しており、それぞれ「外側半月板」と「内側半月板」と呼ばれています。

2つの半月板は形が異なり、内側の方が大きく外側は小さくなっています。

膝の屈伸に応じて半月板も動き、内側半月板が6mm程度、外側半月板は12mm程度、前後に移動します。

また、内側、外側の半月板の外縁1/3には血管が走っていますが、内縁は血管がないため、内縁を損傷してしまうと自然に再生することが難しく、手術適応になることが多くなります。


〈半月板の機能〉

関節適合性

半月板には、フラットな脛骨の辺縁と球状の大腿骨顆部を適合させるソケットの役割がある。


負荷の分散

半月板を取り除くと大腿骨と脛骨の接触面積が1/31/2に減少するため、圧力が

23倍に増え、膝へのストレスが強くなる。


衝撃吸収

半月板を取り除くと衝撃吸収能力は20%減少し膝への負担が大きくなる。

 〈発生頻度と原因〉


活動的な10歳代後半から20歳代に頻発する。

 

外傷性

膝関節の過伸展(サッカーや空手、蹴るスポーツに多い)、外反(タックル、人に乗られる、ジャンプの踏み切り、カッティング時に多い)、屈曲(しりもちをつ

いて転倒時に多い)などで半月板の単独損傷がおこる。

スポーツ動作が約80%を占め、その他は転倒、階段からの踏み外しなどの日常生活での外傷である。



非外傷性

小児の円盤状半月40歳以上では加齢による半月板変性、断裂が大半を占める。

また若年者においても膝のアライメント不良の影響によるものと思われる断裂も少なからずみられる。


1円盤状半月とは…正常な半月板はC型をしているが、それが円盤のようになっているものがある。日本人や韓国人などアジア系に比較的多い遺伝的なものである。正常なものより痛みを生じやすく、膝が曲がらない、引っ掛かりが生じやすい。

2変形性膝関節症(OA)変化を含む関節軟骨病変の合併例は34.6%存在



〈症状〉

・膝の内、外側の運動痛

・膝の引っ掛かり感(キャッチング)

・膝が伸びも曲げもできなくなる(ロッキング)

・歩行時に膝がガクッとなる(膝くずれ)

・膝の曲げ伸ばしの際にパキパキ音がなり痛みを伴う(クリック)


一つでも当てはまる症状が出ていれば、当院もしくはスポーツ整形の受診をお勧めいたします。

また、小児にみられる円盤状半月板断裂では膝が伸びきらない伸展制限、膝の外側の痛みを主訴とすることが多くあります。


※最終的にはMRIによる画像診断の必要があります。近年MRIの精度はよくなってきており、変性の早期発見の診断にも有用です。



〈半月板断裂の治療〉


保存療法

損傷初期の血行がある場所の断裂で、半月板の安定性がよく、その長さが1㎝未満のとき、また不全断裂のときは保存療法が可能。

腫れた膝のアイシング、緊張した膝周囲の筋肉や腱のマッサージ、筋肉が委縮しないよう大腿部のリハビリ、セルフケアが必要である。


手術療法

切除術と縫合術とがある。

切除術は傷めている半月板を一部もしくは全部取るので膝の安定性が悪くなることが多く、将来的に膝の形が変形(変形性膝関節症)しやすくなる。

 

 



縫合術は、縫合できる条件が限られており、下のリハビリ表で書いてあるように復


 

 

 

 

帰に時間がかかり、再断裂の恐れもある。しかし切除術と違い、縫い合わせるの


 

 

 

 

 

で、将来的に膝の変形は起こりにくくなっている。

 

 

 

 

 

〈リハビリテーション〉

 

 

 

 

 

 

ストレッチング→患部外トレーニング→患部の非荷重運動→患部の荷重運動

 

 

 

 

 

上記の順で行う。



 

 

 

 

膝は炎症を起こすとすぐに腫れるため、負荷調整は慎重に行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

患部の非荷重運動…大腿4方向、セッティング、ヒップリフトなど

 

 



 

 

 

患部の荷重運動…スクワット、ランジ、ジャンプなど

切除術後のリハビリテーションプログラム   縫合術後のリハビリテーションプログラム

当院での症例です。

受傷から復帰までの経過を載せております↓

右膝外側半月板損傷 19歳男性 フットサル

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2014年

10月

01日

足関節捻挫

足関節捻挫とは〉

 

「足関節捻挫」とはいわゆる「足首のねんざ」のことであり、スポーツ現場では頻繁に発生する代表的な急性外傷です。しかし足関節捻挫は、脳震盪などの頭頸部外傷や膝の靭帯損傷のように選手生命を直接的に脅かす外傷ではないため、軽視される傾向にあります。そのため再発率も非常に高くなっており、「捻挫は癖になる」とまで言われています。実際にサッカーやラグビー、バスケットボールなど特に球技の選手では捻挫経験がない人の方が少なく、それも繰り返し受傷しているケースがほとんどです。またその中でも、復帰後も未だに違和感や痛みが取れないと感じている選手が大勢います。適切な処置と、その後のリハビリテーションやケアを軽視してしまい、結果的に大きく選手のパフォーマンスを低下させてしまうのです。

 

〈捻挫の種類と靭帯構造〉

 

捻挫の種類には内反捻挫と外反捻挫があり、そのうち圧倒的に内反捻挫(約90%)多く発生しています。

 

  • 内反捻挫

    足関節の内返し強制による外側靭帯の損傷

    重症度によりⅠ~Ⅲ度に分類

    中高年者や小児では、靭帯部分で断裂せずに腓骨の靭帯付着部で裂離骨折を生じることが少なくない

     

    重症度分類

重症度

靭帯損傷

治療方法

回復期間

軽度(Ⅰ度)

前距腓靭帯の伸張あるいは部分断裂

保存療法

1週間

中等度(Ⅱ度)

前距腓靭帯の完全断裂

保存療法

3週間

重度(Ⅲ度)

前距腓靭帯および踵腓靭帯の断裂

保存療法または手術療法

12カ月

 

  • 外反捻挫

    足関節の外返し強制による内側靭帯(三角靭帯)の損傷

    靭帯の強靭さゆえ、単独損傷よりも内果の裂離骨折など合併を伴うことが多い

    コンタクトスポーツでみられることが多く、接触や事故などアクシデントとしての要素が強い

 

 

〈受傷機転〉

 

バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作の多い競技、サッカーやラグビーなど激しい接触プレーのある競技のほか、体操やテニスなど接触を伴わない競技においても発生します。特に内反捻挫ではジャンプの着地時における受傷が多く、ダッシュ動作からの切り返しで踏み込み足が内反強制されたりと、スポーツで頻繁に見受けられる動作によって発生する可能性があります。

 

接触型

非接触型

l         軸足へのコンタクト

l         切り返し時の接触プレー

l         ジャンプの着地時に相手選手の足を踏んで

l         ヘディングやリバウンドなど空中での接触後の着地

l         カットインやフェイントで自ら捻って

l         グラウンドの凹凸に足をとられて

l         スライディングで足が引っかかって

l         着地時にボールを踏んで

 

 

〈応急処置〉

 

足関節捻挫は応急処置をできるだけ早く、かつ的確に行うか否かで、その後の回復期間や予後を大きく左右します。そのため初期対応が非常に重要となるのです。

 

  • RICE処置・・・急性期である受傷24~72時間はRICE処置の適応

    Rrest安静) プレーを中止し安静に

    Iice(冷却) アイスパックや氷嚢のほか、アイスバス(大きめのバケツに氷水をつくる)でのアイシングも効果的

    Ccompression圧迫) アイシングを行っていない間もパッドや包帯での圧迫を継続

    Eelevation挙上) 横になり足首を心臓より高い位置に

    足関節の腫脹による可動域制限は、最も問題となりやすい機能障害の一つです。この可動域制限が残存したままスポーツ活動を再開することは、パフォーマンスの低下だけではなく二次的な外傷の発生因子ともなりうるため、注意が必要です。少しでも早く応急処置を行うことで、炎症による腫脹を最小限に抑えられるようにしましょう。

 

〈リハビリテーションと再発予防〉

 

捻挫を繰り返すと・・・?

 

最初の段階で十分な治療やリハビリテーションを行えば再捻挫の可能性は下がります。しかし、ほとんどの場合でしっかりとした治療が行われず2回、3回と捻挫を切り返し、その度にますます足関節の不安定性が強くなり、さらに再捻挫をしやすくなるという悪循環が起こってしまいます。このように不安定性の強い状態で競技を続けていくと骨棘形成や軟骨の障害をきたし、将来的に変形性足関節症へ移行するため、注意が必要です。

 

足関節捻挫は人の足の上に着地したり、バランスを崩したりすることが原因なので、「仕方がないこと」と考えがちです。しかし不可抗力だと思われるケガでも、疲労や身体のバランスのズレなどによっても起きる傾向があります。また多くの捻挫は治癒していきますが、治りきらない段階での再捻挫が症状の長期化や慢性化の要因となります。そのため再捻挫の予防や、早期復帰のためのリハビリテーションが必要不可欠となるのです。

 

※当院2Fにて、足関節捻挫後の機能評価やリハビリテーションも行っております。

当院での症例です。

受傷から復帰までの経過を載せております↓

右足関節捻挫 19歳女性 ボルダリング

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2014年

9月

25日

疲労骨折

 

疲労骨折とは…

骨折を起こすような大きな外力ではなく、ランニングやジャンプなど、通常のスポーツ動作で繰り返し加わる外力によって、骨に微小骨折が生じた状態です。疲労骨折の発生の誘因として急に練習量が増える時期や、久しぶりに運動を再開した新入生に発生しやすいことが特徴です。

 

疲労骨折の発生原因は主に2つ…

  • 通常運動による骨への外力は、筋肉や関節の緩衝作用によって軽減されていす。
    しかし疲労によってそういった緩衝作用がうまく働かなくなると、骨にかかる負荷が増加し、骨折にいたります。
  • 運動による反復した筋肉の収縮が骨を引っ張り、骨に折り曲げるような負荷が繰り返しかかり骨折にいたります。

 

 

【代表的な疲労骨折と好発競技】

疲労骨折は十分な筋力や柔軟性と、正しく効率的な身体の使い方が出来れば、ある程度防ぐことのできるスポーツ障害です。

逆にそういったことが不十分な場合は、同じ疲労骨折を繰り返します。

そのため適切なケアやリハビリ、トレーニングが非常に重要です。

また練習量の多い選手は、疲労を溜めないようにするための、セルフケアも必須です。

疲労骨折の中には難治性のものもあり、そういった場合は手術や長期間の運動中止が必要になるため、注意して下さい。


 

尺骨疲労骨折

 

  • 物を握って肘や手首を振る動作を多用する種目に発生。
    (剣道、ソフト、太鼓など)

  • 方形回内筋、深指屈筋、尺側手根屈筋の3つの筋肉の収縮力が、右の赤いラインの部分にストレスをかけ、疲労骨折を起こさせる。

  • 復帰目安 12ヶ月


 

恥骨疲労骨折

 

  • 腹直筋の牽引力と内転筋の牽引力が近い部分にかかり、そのストレスが繰り返されることにより、疲労骨折が起こる。

  • 股関節の硬さや筋力不足が原因で、屈曲方向の動作がうまくおこなえていないと起こりやすい。

 

 

 


 

脛骨疲労骨折

 

疾走型

  • 脛骨の上1/3や下1/3に発生。
  • 太ももの後ろやふくらはぎの筋肉の牽引力、ランニング時の着地の衝撃により発生。

  • 比較的短い期間の安静で復帰できることが多い。

 

跳躍型

  • 脛骨中1/3 に発生。
  • 多くが難治性であり、復帰までに非常に長い期間を要することが多い。

  • ジャンプ動作の多い種目の選手で、すねの前面中央部の痛みがある場合は要注意。

     

    復帰目安 疾走型 14ヶ月
    跳躍型 3ヶ月~数年


 

                            腓骨疲労骨折

 

疾走型

  • 腓骨の下1/3 に発生。
  • ランニングなどつま先で走る際の筋肉の収縮力が原因。

 

跳躍型

  • 腓骨上1/3 に発生。
  • 跳躍の着地時の衝撃とひらめ筋の収縮による負荷が原因。

     

    復帰目安 跳躍型 12ヶ月

    疾走型 23ヶ月

 

ジョーンズ骨折

 

  • 5中足骨の近位部の疲労骨折。

  • サッカー選手に多い。

  • 通常ならば1本の血管がつながっているのに対し、第5中足骨は、3つの血管が走行していて、血管が合流する部分に骨折が生じるため骨が癒合しにくく、難治性となる。

 

足舟状骨疲労骨折

 

  • 陸上競技中長距離選手に稀に発生。

  • その多くは難治性である。

  • 不完全骨折や転位のない早期の骨折であれば、 6~8週間のギプス固定と免荷が原則で、このような保存療法で約80%が治癒する。

  • 活動性の高いスポーツ選手では保存療法を行っても再発する事が多く、復帰にも時間がかかるため、観血的な治療(手術)も選択される。
    手術後から競技復帰までは3か月以上かかる。


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2014年

9月

21日

ストレッチ

 

<ストレッチとは??>

 

スポーツや医療の分野におけるストレッチ(英: stretching)とは、 体のある筋肉を良好な状態にする目的で、その筋肉を引っ張って伸ばすことを言います。

筋肉の柔軟性を高め関節可動域を広げるほか、いろいろなメリットをもたらします。

一般的に、静的(スタティック)ストレッチ、動的(バリスティック)ストレッチ、PNFストレッチに分類されます。

 

 

 

<ストレッチの目的・効果(なぜストレッチを行うのか?)>

 

関節可動域の維持・向上

筋肉や腱を伸張させることで可動域が拡大し、パフォーマンスアップが期待できる

 

筋肉への血液循環の向上

運動前に血液循環が良くなると筋肉の準備運動ができ、練習や試合が効率的に行える

 

傷害予防

柔軟性が低いと狭い可動域の中での運動になり、関節や筋肉にかかるストレスも増える

 

疲労回復の促進・リラクセーション

老廃物や疲労物質の排除、精神的なリラックスが得られる

 

 

ストレッチで筋肉が適度に動かされると、血液循環が促進されます。血液が酸素や栄養素を細胞に運ぶことで、効率よく筋肉を動かしたり力を発揮する事ができます。

ところが、運動前後にストレッチを行わないと疲労物質が筋肉内に滞ってしまい筋肉の緊張が高い状態が続きます。それにより怪我を招いてしまうのです。

 

 

 

<ストレッチの必要性(なぜストレッチが大切なのか?)>

 

 ― スポーツ傷害の発生原因 -

 

        高度なトレーニングによる筋肉・関節の疲労

 

        柔軟性の低下、筋力不足、筋力のアンバランス

 

                  ↓

 

            筋力トレーニング

 

柔軟性改善トレーニング

 

                  ↓

 

           スポーツ傷害のケアや予防

 

 

 

 

スポーツ傷害の発生はこの他にも用具(服装やシューズ)、天候、栄養状態など要因は多岐に存在しますが柔軟性を改善する事で防げるケガはたくさんあり、疲労の回復や怪我の予防等にストレッチは欠かせないのです。

 

 

 

<ストレッチを実施するにあたっての注意点>

 

無理をしない→無理に伸ばそうとすると筋肉や腱を傷める

 

温まった状態で行う→適度に温まった状態の方が柔らかく行いやすい

 

リラックスして行う→精神的な緊張を取り除き、無駄な筋肉への力を排除することができる

 

ケガをしたときは無理をしない→損傷した筋肉や組織の炎症を広げてしまう

 

☆補足  お風呂上がりなど身体(筋肉)が温まっている時に静的ストレッチなどを行うと効率的

 

       冬場は気温も低く、筋肉も硬くなりやすいため夏場よりも時間をかけて行う事が必要

 

 

 

<ストレッチが有効なスポーツ障害>

 

柔軟性の低下は、筋肉のアンバランス、疲労、過負荷などを引き起こし、結果的に怪我を招きます。

 

・必要以上の筋肉への疲労蓄積

肉離れ・シンスプリント

 

・腱,軟骨,靭帯に牽引力(柔軟性が低下している筋肉に対し腱や軟骨が引っ張られる)がかかる

アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎・オスグッド・膝蓋靭帯炎

 

・首,背中の柔軟性低下

肩こり・腰痛・上腕二頭筋腱炎・インピンジメント症候群etc

 

・股関節の柔軟性低下

腰痛・オスグッド・ふとももやふくらはぎの肉離れ・投球障害肩etc

 

患部の柔軟性の低下も怪我の要因として挙げられますが、患部以外の関節や筋肉の硬さに起因する怪我もたくさんあり、特に股関節の柔軟性の低下は下肢の怪我のみでなく腰痛や肩の怪我をも招いてしまうのです。

 

各部位や痛みに必要なストレッチを行うことでこれらの怪我を未然に防ぎ、痛みを和らげることが可能です。

 

 

<ストレッチの種類>

 

スタティックストレッチ(静的ストレッチ)

 

//反動やはずみをつけずに筋肉をゆっくり伸ばし、筋肉が伸張した状態を維持する静的ストレッチ(30秒程度)

 

※身体が硬い人は15秒×2~3セットや深呼吸2・3回などリラックス状態で行えるものを選択すると良い

 

特徴・・伸張反射が起きにくい、方法が簡便、1人で実施できる、全身実施するにはある程度時間が必要、単一方向のみの伸展に留まりやすい

 

ウォーミングアップ(w-up)・クーリングダウン(c-down)共に用いられる場合が多く、w-upで行う際はジョギングなど筋温を高めてから行うことが効果的である。c-downでは、疲労物質の排除や精神的なリラックス効果も得られるため多く用いられる。特に練習後に有効である。

 

伸張反射・・・筋肉が過度に伸張されると筋肉がそれ以上伸ばされて傷害を起こさないように反射的にその筋肉を収縮させる生体防御機構の1つ。

 

 

 

バリスティックストレッチ(動的ストレッチ)

 

//反動やはずみをつけて行う動的ストレッチで、一般に同じ動作を8~12回繰り返す(ブラジル体操やラジオ体操)

 

特徴・・筋温の上昇、心拍数の上昇、運動に必要な可動域の獲得、急激な伸張により筋線維の微細損傷や痛みが生じる可能性がある

 

それぞれの競技種目に合わせたストレッチが可能でw-upに用いられることが多い。特に練習前に有効である。

 

 

 

PNFストレッチ

 

//PNF(ピーエヌエフ:固有受容性神経筋促通法)は1940代にアメリカで誕生した主にリハビリテーションなどで用いられる促通手技の一つの方法。身体に備わる「反射」を促通手技の結果として反応させて、神経・筋機能の向上・関節の可動域等の回復を図ろうとするものである。

 

特徴・・短時間で大きなストレッチ効果が得られる、複合関節にも適応可能、方法を誤ると筋肉の微細損傷や疼痛の増大を招く、基本的にはパートナーで行われるが1人でも可能(解剖や筋の特性を熟知していることが前提)

 

w-upc-down共に用いられることがあるが、パフォーマンスの向上・傷害の予防・及び回復に効果を示すという観点からスポーツにも採用されトレーニングとしても行われる。手技は高度だが可動域の改善には有効である。

 

2014年

8月

24日

ウォーミングアップとクーリングダウン

運動や試合において、良いパフォーマンスを発揮するために、事前に心身の準備をすることを目的としたトレーニングをウォーミングアップといいます。

また、運動や試合において蓄積した疲労をできるだけ早期に回復するためのトレーニングをクーリングダウンといいます。

これらは外傷・障害予防の観点からも大変重要で、スポーツを楽しむ人や競技スポーツをする選手にとって不可欠なものです。



 

 

 

 

 

 

 

〈ウォーミングアップの目的と効果〉

  • パフォーマンスの向上と、トレーニング(練習)の効率化・・・あらかじめウォーミングアップを行うことで、効果的に運動を行うことができます。また徐々に緊張、集中力を高めていきます。
  • 外傷・障害の予防と、コンディショニングのチェック・・・柔軟性の向上や酸素運搬能力の活性化、神経反応時間の短縮などによりケガを予防することができます。また、身体的コンディションの確認と、技術や戦術のリハーサルを行うことができます。

  • 体温(筋温)の上昇・・・筋温を上げることで、筋力の発揮や関節の動きがスムーズになります。それにより筋肉や腱の柔軟性が高まり、関節可動域が広がります。

     

     

     

    〈クーリングダウンの目的と効果〉

 

  • 疲労回復・・・筋肉中に産生された疲労物質を早期に除去することができます。

  • 外傷・障害の予防・・・疲労した筋肉の柔軟性や関節の可動域を、運動前の状態に早く戻すことができます。

  • めまい、吐き気、失神を防止する・・・急激に運動を中止すると血圧が低下するため、徐々に運動強度を下げます。

  • 精神的に落ち着くことができる・・・1日に複数の試合があるときなど、気持ちの切り替えとしても重要です。

〈ウォーミングアップとクーリングダウンの種類〉

 

ウォーミングアップの種類

 

パッシブ(他動的)なウォーミングアップ:身体を動かさずにウォーミングアップ効果を得るもの
シャワー、温浴、マッサージ、パーソナルストレッチ、ホットパック、超音波など

 

 

アクティブ(活動的)なウォーミングアップ:実際に身体を動かし、身体の内面から体温を上昇させて効果を得るもの

 

  • 一般的ウォーミングアップ:筋温を上げ基本動作を実施して、各部位の動きを円滑にする

      ウォーキング、ジョギング、水泳、スキップなどの基本ドリル、ストレッチ、各種体操

     

  • 専門的ウォーミングアップ:競技特性や予防すべき傷害を考慮したもの

         技術系、スピード系、パワー系、持久系、神経系(敏捷性・集中力・反応スピードなど)

    パッシブなウォーミングアップは、アクティブな一般的・専門的ウォーミングアップと併用して行うものであり、パッシブなものだけでウォーミングアップを終了することは、準備として不十分です。ですがケガや疲労がありながらプレイせざるを得ない競技者にとっては非常に効果的であるため、あくまでもアクティブなウォーミングアップの補助として用いていくようにしましょう。

     

     

    クーリングダウンの種類

    パッシブリカバリー(消極的休養)アイシング、交代浴、マッサージ、鍼灸治療など

    アクティブリカバリー(積極的休養)ジョギング、自転車エルゴメーター、水中歩行、水泳、ストレッチ、体操など

    運動によって筋肉中には疲労の原因となる代謝物が産生されます。アクティブリカバリーとして適度な有酸素運動を行うことにより、この代謝産物を早期に除去することができます。運動後何もしないで終わった時と比較すると、代謝産物の除去スピードは2倍近くも速くなるのです。またウォーミングアップと同様に、パッシブなものを補助的に取り入れることによって、疲労回復や傷害予防としてより効果を発揮することができます。

 

〈ウォーミングアップの順序〉

 

  1. 体温(筋温)を上げる
    軽めの有酸素運動を行うことで体温(筋温)を上げ、筋肉の柔軟性を高め、筋力の発揮や関節の動きをスムーズにします。(ウォーキング、ジョギング、自転車エルゴメーターなど:515分)
  2. 静的ストレッチ
    体温が上昇したら、ゆっくりと呼吸を整えながら、反動をつけずに筋肉を伸ばしていきます。(1種目1015秒)
  3. 動的ストレッチ
    競技動作に関連した柔軟性を高めていきます。特定の競技動作や、動作パターンに準じた動きで関節可動域を広げていきます。(ブラジル体操など:510分)
  4. 呼吸循環機能を高める
    一般的な動きに専門的な動きを加えながら、運動強度を徐々に上げ、競技特性に準じたレベルまで上げていきます。(ラダーやマーカーを使用したジャンプ、スキップのフットワークドリルなど:515分)
  5. 競技特性を考慮した仕上げ
    競技特性にあった要素を入れ、ここで最終的な目標レベルまで上げます(野球のキャッチボールやバッティング、サッカーのドリブルやシュート、バレーボールのレシーブやスパイクなど)。最大筋力発揮が必要な競技は、ジャンプやダッシュなどのパワー系、スピード・アジリティ系の要素を入れ、神経系、筋肉に刺激を与えます。また、有酸素系の競技は種目の必要性に応じて強度を調整し、技術系の競技は実戦をシュミレートしていきます。(1015分)
     

 

〈クーリングダウンの順序〉

 

  1. 軽度の有酸素運動

    競技特性に合った軽い有酸素運動により、筋肉中に産生された疲労物質を早期に除去することができます。(ウォーキング、ジョギング、自転車エルゴメーター、スローペースの水泳など:1015分)

  2. 筋肉の柔軟性、関節可動域を戻す

    運動後の身体は、運動強度が高いほどアンバランスな状態になっています。ストレッチや体操を行うことにより運動を行う前の状態に早く戻すことができ、疲労回復や外傷・傷害の予防につながります。使用した大きな筋群から順に伸ばし小さな筋群へと移行していきます。(1種目2030秒:1015分)

 

 

 

競技特性によってウォーミングアップとクーリングダウンの方法は様々です。同じ競技であっても個々の特性は異なるため、基本的なものに個別の特徴に合ったものを加えていかなければなりません。自分自身の身体的な特徴をよく把握し、普段から様々なケースを想定して、独自のウォーミングアップやクーリングダウンを確立していくことも大切です。

 

また、ウォーミングアップに比べてクーリングダウンは、運動の量や質、練習時間の都合や試合結果に左右されて、行われたり行われなかったりするケースが多くあります。疲労回復や外傷・傷害予防のためにも、運動の内容や競技の結果にとらわれず、必ず行うようにしましょう。

 

 

 

 

ケガを予防するためのウォーミングアップの工夫

ウォーミングアップの目的の一つに「外傷・障害の予防」があります。そのウォーミングアップの中に簡単なトレーニングを取り入れることで、ケガの予防やコンディショニング、パフォーマンスの向上へとつなげることができます。

FIFA(国際サッカー連盟)や日本バスケットボール協会では、作成されたプログラムがケガの予防に非常に有効であり推奨されていますので、日々の練習の中で取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

日本サッカー協会HP http://www.jfa.jp

 「The 11+ (サッカー外傷・障害予防プログラム)」

 

 

日本バスケットボール協会HP http://www.japanbasketball.jp

 「ジュニア向け外傷予防プログラム」

2014年

6月

01日

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群とは…

 

腕を上げる途中で、腕の骨(大結節)と肩の骨(肩峰)が衝突(=インピンジメント)し、その間にある組織(腱板の一部や肩峰下滑液包など)が挟み込まれ、この刺激が繰り返し加わると炎症が起こります。
安静にしていればこの変化は正常に戻り、症状は軽快しますが、動作の反復によって症状の再燃を繰り返すと慢性化します。バレーボールや野球、水泳の選手などに多くみられます。
進行すれば、時に腱板の部分断裂や、肩峰下に骨のとげ(骨棘)ができ、痛みがなかなかとれなくなることもあります。

症状が長期間にわたり、日常生活や競技に支障をきたす場合、手術をおこなうこともあります。

骨の衝突(インピンジメント)が発生し、その間に挟まれた腱板や滑液包がダメージを受ける!

 

《症状》

n腕を上げたときの痛みとひっかかり感

n大結節周囲の張れや熱感

n症状が強くなると安静時や夜間痛も出現

 

               【右図:右肩前面】

 

《原因》

ケガと使いすぎに分かれます

1回の大きな負荷によるもの

瞬間的に身体に耐えきれない負荷がかかることで、物理的な損傷が起こり、

肩の機能不全が発生

・ スポーツでの肩からの衝突、転倒
・ 重量物を持ち上げる、支える

 

小さな負荷が繰り返し加わることで、顕微鏡レベルでの組織の損傷がおこるもの

使い過ぎと動作不良が主な原因

特に肩関節や肩甲骨周囲の筋肉の柔軟性低下や、筋力低下があると正常な腕を上げる動作ができず、インピンジメントを引き起こしやすくなる

 

《治療&セルフケア》

 

①患部の炎症を抑えるために、安静とアイシングが重要です。
痛みの出る動作や練習はしばらく避け、運動後のアイシングを徹底してください。(15分×23セット)
運動後以外の過剰なアイシングは不要です。

 

②肩関節や肩甲骨、背中の柔軟性を向上させることが必要です。ストレッチやマッサージ、鍼が有効ですが、そういったケアを受けられない場合は、下記のセルフストレッチやストレッチポールを使った運動などをおこなって下さい。

 

 

③肩周囲のアウターとインナーのアンバランスを改善します。
アウターとは外側の大きな筋肉(三角筋など)で、インナーとは内側の小さな
筋肉(回旋腱板=ローテーターカフ)のことです。
動作時にインナーの働きが不十分で、アウターばかり使ってしまうとインピンジメントを引き起こします。

インナーのトレーニング方法を紹介しておりますので、参考にして下さい↓

http://www.youtube.com/watch?v=wB8PMTpZSec&list=PL2PGn2Lh1BEMiDalgcC0XB2pbZPXN43Dm

http://www.youtube.com/watch?v=xfS-TDvzu68

 

 

 

④インナーの強化以外にも肩甲骨の動きの改善や、胸郭への固定力強化、背中の柔軟性向上など、競技や症状に合わせて多くのリハビリやトレーニングをおこないます。

 

⑤フォームの修正

肩に負担のかかるフォームの場合は修正が必要です。
肩以外の部分に原因があることもあるので、当施設でもフォームチェックをおこない、それを改善するためのリハビリ、トレーニングの処方をおこなっています。

 

⑥テーピング

腱板を補助するテーピングをすることで、動作時の痛みが軽減します。

当院での症例です。

受傷から復帰までの経過を載せております↓

右肩インピンジメント症候群 18歳女性 バレーボール

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2014年

5月

18日

スポーツと栄養

 

スポーツと食事は非常に密接な関係にあり、トレーニングや運動を行っていても、きちんとした食事を摂らなければその効果は少なくなる上に、怪我をしやすくなってしまったり、競技力の低下をも招いてしまいます。トレーニングと食事のバランスを上手く取る事で、試合でも十分なパフォーマンスを発揮する事が可能なのです。

 

 

 ※競技者の通常の食事では、炭水化物55~60%、タンパク質12~15%、脂質25~30%の割合で摂取します

 

 

 

<5大栄養素について>

 

 

炭水化物 : 体内で消化・吸収されエネルギーとして利用

                           人間の身体にとって最も必要な栄養素

 

不足すると・・・筋肉・脳を働かせる為の熱(体温)を産生しにくくなる

疲労増加・免疫力低下・けがのリスク↑・競技力の低下

 

摂りすぎると・・・血糖をコントロールするインスリンの働きが弱まる

→ 脂肪となり体内に蓄積・糖尿病などの生活習慣病

 

多く含まれる食品 → ご飯・パン類・麺類などの穀類(主食)

 

 

 

タンパク質 : 体内で筋肉や血液、臓器などを構成する主成分

 

不足すると? 血液、骨、筋肉、内臓などあらゆる身体の機能が低下・・ 

貧血・骨折・免疫力低下・怪我の治癒の遅延

 

摂りすぎると? 使い切れないタンパク質は身体の中で分解され、脂肪に分解・・

脂肪となり蓄積・腎臓への負担↑

 

多く含まれる食品 → 肉類・魚介類・卵・豆類(主菜)

 

 

 

脂質 : 体温維持・細胞保護

 

不足すると? 肌の皮脂や水分のバランスが崩れる・・

ニキビ・肌荒れ・生理不順

 

摂りすぎると? 脂質を多く含む食品は、ビタミン・タンパク質などほかの栄養価も高いものが多い・・

皮下脂肪・内臓脂肪の増加 →動脈硬化・メタボリックシンドローム(生活習慣病)

 

多く含まれる食品 → ピーナッツバター・ケーキ・ファーストフード・インスタント食品

 

 

 

ビタミン : 成長や生命活動の維持

 

不足すると? 水に溶けやすい水溶性ビタミン(B群・C・葉酸など)の不足は身体の不調につながる・・

疲れやすくなる・貧血・めまい・口内炎・口角炎・脚気

 

摂りすぎると? 脂溶性ビタミン(A.D.E.K)は脂質に溶け、体内で溜まりやすい・・

疲れやすくなる・頭痛・吐き気・肝臓など臓器への負担↑

 

多く含まれる食品 → 緑黄色野菜・果物・ナッツ類

 

 

 

ミネラル : 血液や神経の調節・骨や歯を作るなど身体の機能を維持・調節

 

不足すると? ホルモンや骨・神経などのバランスの低下・・

骨折・貧血・ホルモンバランスの乱れ・精神的な乱れ

 

摂りすぎると? ナトリウム(塩分)、リンが過剰摂取に陥りやすい・・

心臓・胃への負担↑・高血圧・カルシウムの吸収阻害

 

多く含む食品・・ 魚介類・海藻類・乳製品・加工食品・清涼飲料水

 

 

 

<アスリートの取るべき食事>

試合前(3~6日前)・・

高糖質食を摂る

高糖質食とは1日の摂取エネルギー量を

炭水化物:70%、タンパク質:15%前後、脂質:15%以下に維持したもの

※ご飯(糖質)の量を増やし、肉の脂身(脂質)や油の摂取が多くなる調理法での

理を極力減らす

 

試合当日・・

遅くても試合開始3時間前までに、普段とっている様な食事(主食:炭水化物 主菜:タンパク質: 副菜:ビ

タミン・ミネラル)を含む栄養価の高い食事をすませておく

※3食とれない場合や試合間の栄養補給には補食利用

※消化に時間のかかる脂肪やたんぱく質を多く含む食品は避ける

 

試合後・・

消化のよい栄養価の高い食事を摂取(脂質や脂分を多く含む食事は避け、ご飯や麺類等の炭水化物[糖質]

を中心にビタミン・ミネラル(緑黄色野菜・魚介類・海藻類等)

※試合が連日続く時は、高糖質食を続ける

 

 

 

<補食>

補食は試合間の糖質補給や主食・主菜・副菜を含む1日3食の食事のうち1食でも摂れない際の栄養補給として非常に重要!

 

*補食に適している食品(炭水化物やビタミン・ミネラルを多く含むもの)

おにぎり・肉まん・あんまん・カステラ・ヨーグルト・フルーツゼリー・バナナetc..

*補食に適していない食品(消化に時間がかかってしまうもの)

サンドウィッチ・アメリカンドッグ・カレーまん・デニッシュパン・ケーキ・カップラーメン・唐揚げ・フライドポテト

 

 

<骨折・靱帯損傷などの怪我時に積極的にとるべき食品>

鮭やブリ・さんまなどの魚類、キクラゲ・シイタケなどのキノコ類、ひじき・わかめなどの海藻類、小松菜・ブロッコリー・ほうれん草・納豆など・・

タンパク質をはじめカルシウム・ビタミン・ミネラルをしっかり摂取しましょう。ですが、炭水化物など他の栄養素の摂取が疎かにならない事が前提です。またこれらの食品を摂る事で骨折や靱帯損傷の治りが早くなる訳ではありません。治癒の遅延を防ぐと言う方が正しいかと思われます。

 

 

 

スポーツ選手にとっての食事とは

    競技力向上

    コンディションを良好に維持(質の良いトレーニングを行うため)

    疲労回復

    障害予防のためにとっても大切!

 

特に朝食は重要で、朝食を摂らないと体温が上がらず集中力も欠けてしまい、せっかくのトレーニングが無駄になってしまいます。また、試合前だけしっかりとした食事を摂るのではなく、普段から各競技・各個人に合った食事スタイルを作っておくことが非常に重要です。

普段のトレーニングの成果を十分に試合で発揮する為にも、偏った食事をとることなく5大栄養素の役割・食品を基に自身にあったスタイルを作りましょう!

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2013年

11月

10日

ランニング障害

「ランニング障害」とは…

 

長期間ランニングを続けることによって、骨や腱、筋肉などに少しずつ負荷がかかり続け、それによって骨折や炎症などを引き起こしてしまうことです。

ランニング障害は比較的経験の浅いランナーに多く見られます。ゆっくりペースのジョギングを卒業して時速8km程度のランニングといえる速さに達して、月間走行距離が増えてくると気付かぬうちにランニング障害をおこしているというケースが増えています。

《原因》

・ O脚、偏平足など体形からくる素因(内的因子)

 

・ コンディショニング不良

ケアの不足による柔軟性や機能の低下

 

・ 練習内容、練習環境

距離やスピードの急な増加、硬い路面

 

・ ランニングシューズ

上級者向けのシューズは軽量化のため靴底がうすいものが多いので、最初は靴底のクッション性が十分あるものを選んで下さい

 

・ ランニングフォーム

以下に注意点を載せているので、参考にして下さい。

 

着地

 

着地は基本的に踵のやや外側から始まり、図1の矢印のように母趾(足の親指)にぬけていきます。

 

図2-Aのようにつま先が外を向いて、足底の内側アーチ (土踏まず)をつぶすような体重移動は、足底腱膜炎シンスプリントをおこしやすくなります。

 

図2-Bのようにつま先が内向きで、最後まで外側に体重がのっていると腸脛靭帯炎や腓骨筋腱炎などをおこしやすくなります。

 

 

ランニング姿勢のポイント

 

・重心を高く保つ

 

・着地は重心の真下近くにおこなう

 

・骨盤を前傾位(前に傾けた状態)に保つ

 

・肩甲骨を後方に引いて骨盤の後傾をふせぐ

 

重心が後ろにあると着地時にかかとを傷めたり、身体を反らすような姿勢が続くため腰痛を引き起こしやすくなります。

肩甲骨を引くことで骨盤を前傾しやすくなり、また背骨のカーブが着地の衝撃を分散させます。(下図)

 

 

足をついてから蹴りだすまでの注意点

 

膝を伸ばして股関節から強く蹴りだします。

足首の柔軟性の低下や骨盤の前傾が不十分だと膝が曲がってしまうため、股関節での十分な蹴りだしができません。

股関節での蹴りだしができないと、膝下での蹴りが強くなり、ふくらはぎやアキレス腱の負担が増すため、傷める原因となります。

ランニング後にふくらはぎに一番疲労を感じる方は股関節の蹴りだしが十分できていない証拠です。

 

 

蹴りだしは足の親指側でおこないます。

蹴りだしが小指側にぬけてしまうと十分に蹴りだせなくなり、腓骨筋腱炎などを引き起こしやすくなります。

 

 

フラット走法&フォアフット走法

 

着地を足底の真ん中(フラット)や前の部分(フォアフット)でおこなう走法です。

着地時にブレーキがかかりにくく、上下動も少ないためロスも少ないと言われています。ただしかかとでの着地に比べ筋肉(特にハムストリング)への負担が大きく、習得も難しいため初心者には適しません。

当院での症例です。

受傷から復帰までの経過を載せております↓

左腸脛靭帯炎 16歳男子 サッカー

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2013年

10月

22日

ドーピング

<ドーピングとは??>

  スポーツなどの競技で好成績を挙げるために薬物を投与したり、その他の物理的方法を採ったりすることを指し、オリンピック競馬など全ての競技で使用が禁止され、違反行為となります。ドーピングが禁止される理由は、「スポーツ精神に反する(フェアではない)」「競技者にとって有害である(副作用)」「社会悪である(薬物汚染の助長)」と言った面から禁止されています。

 

世界アンチドーピング機構(WADAがドーピングに関し統括しており、国内の防止機関としては、財団法人日本アンチドーピング機構(JADAが国内のドーピング防止活動を統括して推進しています。

国際的に共通ですべての競技に適用されるドーピング防止のルールが定められており、

WADAの規定では、ドーピングの検査の陽性以外に、

確実な証言や証拠などによる、ドーピングの証明ドーピングの検査拒否ドーピングの検査妨害共犯関係のスタッフの行為

などもドーピングと規定しています。

WADA規定の下に、より具体的なドーピング防止活動の

ルールとして「検査」「治療目的使用に係る除外措置(TUE)」「禁止表(禁止されている物質・方法)」など5つのWADA国際基準が作成されています。※WADA規定は4年ごと、国際基準は1~数年ごとに改訂されます。

 

<ドーピング検査>・・・検査基準、どの様に、どの様な大会で行われるか

 

ドーピング検査は尿や血液を採取しWADA公認検査機関で分析されます。ドーピング検査には、大きく2種類あります。

 

競技会検査(ICT

競技会に関連して行う検査。競技会の成績上位者やランダムな抽選で対象者が選出

チーム競技では対象試合を決定し、各チームから抽選で対象競技者を選出することが多い

 

 

競技会外検査(OOCT)→競技会以外のトレーニング施設・宿泊施設で行われる競技会に関係せず行う検査。あらかじめ国際競技連盟(IF)またはJADAが設定した検査対象者登録リスト(RTP)の中から焦点をしぼった選出、重みづけによる選出、あるいはランダムな選出が行われる

 

 

※国際競技連盟(IF)JADAは、競技者に対してあらかじめいつどこにいるのか居場所情報を提出させ、その情報に基づいて事前通知なくOOCTを実施し、居場所情報が誤っていたために検査が実施できないと、ドーピングと判断されます

※ドーピング検査対象となる大会は事前に通知される(大会要項に記載されている)ためしっかりと確認を行いましょう

 対象となる試合にエントリーした時点で、防止規定に従いドーピング検査に同意したものとみなされます

※現在、高校総体(一部の競技)や国民体育大会でもドーピング検査は行われています                                         

ドーピング検査の流れは、検査立案→検体採取・封入→検体分析→ 陰性or陽性

陽性の場合、結果管理→聴聞会→処分の決定→上訴 となっており、聴聞会では検体陽性となったアスリートが意見などを述べる弁明の機会が与えられ、処分の決定に不服がある場合は決定の日から14日以内に一般財団法人スポーツ仲裁機構に不服申し立てが可能とされています。

 

<治療目的に係る除外措置:TUE>・・・治療や怪我で禁止物質を使用せざるを得ない場合の措置

 

病気や怪我の治療のために禁止物質や禁止方法を使用する必要がある場合は、所定の申請を行い許可されれば使用できます。ただし、治療上必要であり、他に治療法がなく、使用しても競技力を高めないものに限定されています。

提出先・・・競技者の競技レベルによって異なり、国際競技連盟(IF)が国際レベルに指定した競技者はIFへ、それ以外の国内レベルの競技者はJADAへ提出する。

 ※原則TUEが必要な大会の30日前までに提出  ※国際レベルの競技者の申請は英語で記入

 

<禁止薬物・禁止方法>・・・常に禁止される物質・方法と競技会のみで禁止されるものに分けられる

 

常に禁止される物質・方法【競技会検査および競技会外検査】

物質→無承認物質(人体への治療目的使用がどの政府保険医療当局でも承認されていない物質)/蛋白同化薬/ペプチドホルモン/成長因子及び関連物質/ベータ2作用薬/ホルモン調節薬および代謝調節薬/利尿薬及び他の隠蔽薬

方法→血液及び血液成分の操作(輸血で赤血球数の量を増やして酸素運搬能力を強化する方法)

   化学的・物理的操作(ドーピング検査で採取する尿検体のすり替えやカテーテルの使用)

   遺伝子ドーピング(競技能力を高めるために遺伝子を改変すること)

 

 

常に禁止される物質・方法に加えて、興奮薬(特定物質・非特定物質/麻薬/カンナビノイド/糖質コルチコイド

特定競技において禁止される物質

アルコール、ベータ遮断薬

特定物質は競技者がドーピング目的の使用ではないことを証明した場合は懲罰が軽減される可能性がある。

 

※違反者に対する懲罰として、非特定物質の違反の場合は1回目の違反で2年間の資格停止特定物質の違反の場合には1回目の違反では警告から最長で2年間の資格停止が課される。2回目の違反に対しては違反の種類によって、最長一生涯の資格停止となる。なお、チーム競技で1つの大会中に同一チームから2名以上のドーピング陽性者が出た場合は、そのチームのメンバーに対してさらに検査が実施され、またチームが失格する可能性もある。

 

<注意すべき市販薬>・・・漢方薬・サプリメント・風邪薬

 

漢方薬の生薬成分で明らかに禁止物質を含むものは、麻黄・ホミカ・鹿茸(ロクジョウ)としています。健康食品・サプリメントは医薬品ではなく食品に分類されるため、製品に全て成分記入はされていないため注意が必要です。風邪薬も禁止物質の含まれるエフェドリン類など多くの禁止物質が含まれている可能性があります。

右図には使用可とされている下熱鎮痛剤や感冒薬を抜粋して掲載していますが、似たような名前で処方が異なる物もあり名前などが完全に一致していることを確認した上で服用する必要があります。

薬局で購入できる外用薬(軟膏など)には糖質コルチコイドを含有する製剤があり、皮膚・耳・鼻・口腔内および目の疾患に対する局所的使用と痔に対する外用薬は許可されていますが、何回も多量に使用し体内に吸収されるとドーピング違反が疑われる可能性があります。

 

 

※葛根湯・小青竜湯・五積散・防風通聖散などの漢方薬は禁止物質を含んでいるので使用すればドーピング違反となります。

医師から処方されることの多い禁止物質として、糖尿病治療のインスリン・喘息治療のベータ2作用薬・痛風治療のプロベネシド・かぜや鼻炎の治療薬でエフェドリン類、高血圧治療で利尿薬やベータ遮断薬があります。自分がドーピング検査対象となる試合に出場する際は特に、毎年11日に改定される禁止表の確認を行いドーピング検査違反にならないよう努める必要があります。

薬局で薬を購入する場合は、各都道府県の薬剤師会に設置されている相談窓口(薬剤師会ドーピング防止ホットライン)に問い合わせを行い、JADA公認スポーツファーマシスト(最新のアンチドーピングに関する知識を持つ薬剤師)に相談を行う必要があります。インターネットでスポーツファーマシストの検索が可能なので、事前に近くのスポーツファーマシストのいる薬局を検索しておきましょう。生野区では…育和会記念病院・ふじ薬局・ロート製薬株式会社など

スマートフォン対応アプリ「JADA」には、ドーピングについての知識や今年度の禁止表も掲載されているのでダウンロードしておくといざとなったときに便利でしょう!

 

ドーピング違反にならない薬剤 

例えば・・・

・バファリンA(ライオン)

・ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)

・新ルルエース(第一三共ヘルスケア)

・パブロン50(大正製薬)

・コンタックせき止めST(GSK)

・大正胃腸薬Z(大正製薬)

・ガスター10(第一三共ヘルスケア)

・コーラックソフト(大正製薬)

・新ビオフェルミンS錠、細粒(武田薬品)

・メンソレータムE(ロート製薬)

このマークは、2013WADA禁止表に抵触しないJADA認定商品として承認されており、認定商品として認めた商品に対し、ラベル上での貼付用に用いるマークです。 JADAの設ける基準をクリアしていることを表し、JADAとしての保証を示しています。 青空の下で走る人の絵柄と、ドーピング検査クリアの「OK」を意味する円を組み合わせたマークです。クリーンで、健全なスポーツマン精神を表現しています。


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2013年

9月

20日

鍼灸の効果

1.鍼灸とは

  •   鍼灸とは、鍼(はり)や灸(きゅう)で身体を刺激し、身体が本来もっている自然治癒力を高める中国発祥の伝統医学です。
  • は筋肉やツボの深部まで刺激を入れることが可能で、筋肉に直接刺すと血流改善などが期待できます。また交感神経の過緊張状態の抑制に働き、痛み、コリ、めまい、吐き気、手足の冷えになどに有効とされております。
  •  は身体に熱を伝えて温めたり、微小な熱傷を起こし白血球などを増殖させ免疫力を上げたりすることが可能です。また副交感神経の過緊張状態の抑制に働き、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、じんましんなどに有効とされています。

  *鍼灸の効果はWHO(世界保健機関)に有効性を認められています。

 近年NIH(米国国立衛生研究所)の見解として鍼灸療法の効果、科学的根拠、西洋医学の代替治療として効果があると発表されています。

 

 

2.鍼灸対応疾患

神経系神経痛・頭痛・めまい・不眠

運動器系:関節炎・リウマチ頚肩腕症候群頚椎捻挫後遺症五十肩・腱鞘炎・腰痛・打撲・むちうち・捻挫

循環器系:動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

呼吸器系・消化器系・代謝内分泌系・生殖、泌尿器系婦人科系・耳鼻咽喉科系眼科系・小児科系…

などの疾患に有効性があると言われております。

で記述しているものは医師の同意が得られれば鍼灸の保険治療が可能になります。

 

当院では運動器疾患(特にスポーツ中の傷害や外傷)を得意としております。

当院でよく診るスポーツ疾患

捻挫・オスグット病・シンスプリント・肉離れ・打撲挫傷・ジャンパーズニー・テニスエルボー・筋肉痛・インピンジメント症候群・ 野球肩・アキレス腱炎・腰椎椎間板ヘルニア・腰椎分離症…etc

 

3.鍼灸のメカニズム

鍼灸の科学的な根拠のある4つのメカニズムを紹介いたします。

A)      体性-内臓(自律)反射:内蔵、自律神経のコントロールを行い調整する作用があります。

B)      軸索反射:鍼灸を施術した部位の血管を広げたり、血液の流れを良くしたり、痛みの物質を流すなどの作用を出します。

C)      鍼麻酔(鍼鎮痛):鍼灸の刺激は脳に伝わり、やがて鎮痛効果のある物質を分泌、また放出し、痛みを和らげます。

D)      ゲートコントロール:鍼灸を施術することで、痛みを脳に伝える前段階で痛みの抑制をかけ、痛みを和らげます。

 

A)体性-内臓反射

鍼を打つ事で内臓器や自律神経の興奮や抑制を行うことが出来ます。

内臓から身体への反応を内臓‐体性反射といい、心臓の痛みが肩に出る、胃の痛みが背中に出る、腎臓、膀胱の痛みが腰痛になって出る。などお聞きになったことはありませんか?皮膚と臓器の刺激は同じ脊髄で処理が行われるので、内臓の痛みを皮膚が勘違いしたり、皮膚の痛み(刺激)を内臓が勘違いしたりします。そのメカニズムを利用し、皮膚に鍼で刺激を入れ内臓器の調整を行うのが体性‐内臓反射です。

B)軸索反射

鍼を打つと刺激を伝える神経は二つに分かれ、脳へ伝わる神経と、途中にある受容器(ポリモーダル受容器)に反応してUターンをする神経に分かれます。後者を軸索反射と言い、鍼の刺激を受けた皮膚へ伝達物質が分泌して、血管を広げたり、血液の流れを良くしてフレアと言う紅斑を起こしたり、痛み物質を流す作用があります。

そのため筋肉痛や、循環が悪くなって硬くなってしまった筋肉、肩こり、腰痛などに効果が期待できます。

C)鍼麻酔(鍼鎮痛)

鍼灸の刺激が脳に痛みを和らげる指令を出します。皮膚から脊髄、そして上に上がり脳の視床下部、下垂体と言うホルモンを多く分泌するところに伝わります。そこでドーパミンやβ‐エンドルフィンなどの脳内麻薬物質を出して痛みを和らげます。

また、視床下部でのもう1つ枝分かれ(下行性痛覚抑制系)が脊髄まで戻ってきてセロトニンやノルアドレナリンを分泌して痛みを遮断します。効果が出るまでに時間はかかりますが、急性や慢性の痛みに関わらず幅広い症状に効果が期待できます。

β‐エンドルフィン

(ベータエンドルフィン)

·        モルヒネと同様の作用をもつ。

·        鎮痛作用はモルヒネの約6.5

·        幸福感、多幸感をもたらし、ストレスなどの侵害刺激に対して鎮痛、鎮静に働く。

·        マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる作用「ランナーズハイ」もβ‐エンドルフィンの分泌が関与していると言われている。

D)ゲートコントロール

ゲートコントロールを分かりやすく言うと、みなさんも経験があると思いますが、膝などを打撲したとき、手でさすっていたら痛みが緩和した。などの経験はないでしょうか?

説明:ゲートコントロールとは痛みを脳に伝える刺激の量をあるゲートによってコントロールする方法です。

刺激の伝わり方には、痛みを伝える神経線維鍼灸やマッサージなどの刺激を伝える神経線維の二種類が存在します。形も大きさも異なっていますがその両方の神経は脊髄にある細胞「膠様質」によって1つの神経となり、刺激を脳に伝達します。

この膠様質がゲートの役割をしており、痛みの刺激は鍼灸やマッサージの刺激が入ることで痛み神経に抑制をかけて痛みをコントロールすることができます。

そのため、急性外傷(捻挫、打撲、肉離れ)などに効果が期待できます。

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2013年

9月

20日

脳震盪(のうしんとう)Concussions

〈脳震盪とは〉

頭部への直接の衝撃や、頭部に伝わる顔面・頸部その他の全ての部位からの外力により一時的に神経機能が低下した状態をいいます。プレーヤー同士の衝突や転倒して頭部を直接強打したとき以外にも、頭部を急激に揺すられたときに起こる脳組織の「ひずみ」により脳の機能障害をきたし、脳震盪を起こす場合もあります。脳震盪は「意識がなくなる」状態だけではなく、ボーっとしながらプレーを続けたり、試合の前後のことを思い出せないような「健忘」も広く含まれます。つまり意識の消失を伴わないことも多く、健忘の最中でも意識や運動機能は正常なときがあるのです。

 

〈脳震盪を疑う症状〉

意識の消失がある。

意識の消失がなくても、次のような症状があれば脳震盪を疑います。

Ÿ   記憶がない。つじつまの合わない発言、同じことを繰り返し尋ねる。

Ÿ   混乱している。日付、場所が分からない。

Ÿ   めまいやふらつきがある。動作が鈍い。

Ÿ   嘔吐する。吐気がある。打撲部以外の頭痛、例えば頭全体に及ぶような頭痛が続く。  

 

 

〈脳震盪を繰り返すと・・・?〉

脳震盪は繰り返されることが多いとされ、一回起こした競技者は、起こしたことがない競技者より6倍起こしやすいとも言われています。次第に弱い衝撃で脳震盪を反復すようになり、さらに回復に時間がかかるようになります。また脳震盪の症状は時間とともに順次消失していきますが、慢性的に繰り返すと永続的な認知機能の障害を起こす可能性があります。選手は少しでも早くプレーに復帰したいという気持ちから、「意識が戻ったら大丈夫」という誤った認識や、症状の無視、脳震盪から完全に回復する前に復帰してしまうケースが多くあります。これらは重大な脳損傷や回復日数の長期化、症状の慢性化につながりかねません。

 

脳震盪後症候群

脳震盪を受けてから1週間程度続く自覚症状のことをいいます。頭痛、物忘れ、耳鳴り、聴覚障害、めまい、手足の震え、吐き気など様々な症状がみられます。

セカンドインパクト症候群

1度目の脳震盪から短期間(脳が完全に回復していない状態)で2度目の脳震盪を起こしてしまうと、ダメージを受けている脳細胞にさらに強いダメージを与えてしまいます。これをセカンドインパクト症候群といい、この状態になると重症化する確率が50%以上になり、助かったとしても高い確率で障害が残ってしまします。

1.   症状・・・以下の徴候や症状のうちどれかが見られるときには、脳震盪の疑いがある。

n  意識消失

n  痙攣発作、ひきつけ

n  健忘症

n  頭痛

n  頭部圧迫感

n  頸部痛

n  吐き気や嘔吐

n  めまい

n  ものが霞んで見える

n  バランスが悪い

n  光に過敏

n  音に敏感

n  すばやく動けない

n  霧の中にいる感じ

n  気分が良くない

n  集中力が出ない

n  思い出せない

n  疲れている

n  混乱している

n  眠くなりやすい

n  いつもより感情的

n  怒りやすい

n  悲しい

n  不安感がある

2.   記憶力・・・全ての質問に正しく答えられなければ、脳震盪の疑いがある。

“ここはどこ(の競技場)ですか”

“今は前半後半どちらですか”

“最後に得点したのは誰ですか”

“最後の対戦相手は”

“最後の試合は勝ちましたか”

3.   バランステスト・・・直列立ち

“利き足を前にして、その踵に反対側の足のつま先をつけて一直線上に立ってください。両足に体重を均等にかけ、手を腰にして、眼を閉じて20秒間じっと立っていてください。もしバランスを崩したら、眼を開けて元の姿勢に戻して、また眼を閉じて続けてください。”

20秒間でもし6回以上エラー(手が腰から離れる、眼を開ける、つま先とかかとが離れる、歩く、よろめく、転ぶ、5秒以上開始の位置から離れたままになる、など)があったら、脳震盪の症状かもしれません。

脳震盪が疑われる選手は直ちに競技を中断させ、急いで医師や専門家の評価を受けさせるべきであり、一人きりにしたり、自動車の運転をさせたりすべきではありません!

〈頭部衝撃時の注意事項〉

 

Ÿ   意識消失があれば脳震盪あるいはそれ以上の出来事であることは明らか

Ÿ   受傷した選手をその日一人きりにさせない(特に1人暮らしの選手は関係者が必ず付き添うよう配慮)

Ÿ   症状が続く場合は頭蓋内出血を合併している疑いがあるので病院を受診すること

Ÿ   当日頭痛が増強したり嘔吐吐気、痙攣やひきつけなどが出現したりした際は、直ちに病院を受診させること

安全第一であることを忘れずに、疑わしい場合は医師に相談しましょう!

 

〈競技への復帰〉              

Ÿ   受傷当日は、競技に復帰すべきではない

Ÿ   わずかであっても症状が続くうちは運動をしない、また運動の程度は段階的に増やすこと

Ÿ   そのシーズン2回目以上の受傷では休息期間を長く取り、復帰は慎重にすること

コンタクトプレー再開や競技復帰をする前には、医師によるメディカルチェックを必ず受けましょう!

 

〈予防対策〉

Ÿ   マウスピースの着用やヘルメット(防具)着用義務の遵守

Ÿ   正しいコンタクト技術の習得や、頸部周囲の筋力強化

Ÿ   最適なコンディション作り(体調不良や脱水による集中力の欠如、過度な緊張や減量などに注意)

Ÿ   様子のおかしい選手がいればすぐに知らせるよう周知し、受傷者の早期発見を行う

Ÿ   チーム責任者は選手の、選手は自分自身の脳震盪歴を把握しておくことが大切

脳震盪の後遺症により選手として、将来社会人としての輝かしい道を閉ざさないために、しっかりとした対応が必要です!!

こちらはIRB (International Rugby Board)が発表している脳震盪のガイドラインです。

参考にして下さい。(日本語)

 

http://www.rugby-shizuoka.jp/wp-content/uploads/2011/09/28df3168d505e68a0664396d62c38e5a.pdf

英語版です。
Pocket_SCAT2_EN.pdf
PDFファイル 105.2 KB

2013年

9月

05日

少年野球肘と野球肩

リトルリーガーズショルダー
成長期の身体は完全に骨が出来上がっておらず、骨の端の部分が軟骨成分で出来ています。

この軟骨(成長軟骨)で出来ているところを骨端線と呼びます。

投球時の肩への牽引力や回旋力によって骨端線部にズレや離開が生じるものを、リトルリーガーズショルダーと呼