膝関節の半月板損傷

〈半月板とは〉

 

膝関節の左右に三日月状の板が円環状に位置しており、それぞれ「外側半月板」と「内側半月板」と呼ばれています。

2つの半月板は形が異なり、内側の方が大きく外側は小さくなっています。

膝の屈伸に応じて半月板も動き、内側半月板が6mm程度、外側半月板は12mm程度、前後に移動します。

また、内側、外側の半月板の外縁1/3には血管が走っていますが、内縁は血管がないため、内縁を損傷してしまうと自然に再生することが難しく、手術適応になることが多くなります。


〈半月板の機能〉

関節適合性

半月板には、フラットな脛骨の辺縁と球状の大腿骨顆部を適合させるソケットの役割がある。


負荷の分散

半月板を取り除くと大腿骨と脛骨の接触面積が1/31/2に減少するため、圧力が

23倍に増え、膝へのストレスが強くなる。


衝撃吸収

半月板を取り除くと衝撃吸収能力は20%減少し膝への負担が大きくなる。

 〈発生頻度と原因〉


活動的な10歳代後半から20歳代に頻発する。

 

外傷性

膝関節の過伸展(サッカーや空手、蹴るスポーツに多い)、外反(タックル、人に乗られる、ジャンプの踏み切り、カッティング時に多い)、屈曲(しりもちをつ

いて転倒時に多い)などで半月板の単独損傷がおこる。

スポーツ動作が約80%を占め、その他は転倒、階段からの踏み外しなどの日常生活での外傷である。



非外傷性

小児の円盤状半月40歳以上では加齢による半月板変性、断裂が大半を占める。

また若年者においても膝のアライメント不良の影響によるものと思われる断裂も少なからずみられる。


1円盤状半月とは…正常な半月板はC型をしているが、それが円盤のようになっているものがある。日本人や韓国人などアジア系に比較的多い遺伝的なものである。正常なものより痛みを生じやすく、膝が曲がらない、引っ掛かりが生じやすい。

2変形性膝関節症(OA)変化を含む関節軟骨病変の合併例は34.6%存在



〈症状〉

・膝の内、外側の運動痛

・膝の引っ掛かり感(キャッチング)

・膝が伸びも曲げもできなくなる(ロッキング)

・歩行時に膝がガクッとなる(膝くずれ)

・膝の曲げ伸ばしの際にパキパキ音がなり痛みを伴う(クリック)


一つでも当てはまる症状が出ていれば、当院もしくはスポーツ整形の受診をお勧めいたします。

また、小児にみられる円盤状半月板断裂では膝が伸びきらない伸展制限、膝の外側の痛みを主訴とすることが多くあります。


※最終的にはMRIによる画像診断の必要があります。近年MRIの精度はよくなってきており、変性の早期発見の診断にも有用です。



〈半月板断裂の治療〉


保存療法

損傷初期の血行がある場所の断裂で、半月板の安定性がよく、その長さが1㎝未満のとき、また不全断裂のときは保存療法が可能。

腫れた膝のアイシング、緊張した膝周囲の筋肉や腱のマッサージ、筋肉が委縮しないよう大腿部のリハビリ、セルフケアが必要である。


手術療法

切除術と縫合術とがある。

切除術は傷めている半月板を一部もしくは全部取るので膝の安定性が悪くなることが多く、将来的に膝の形が変形(変形性膝関節症)しやすくなる。

 

 



縫合術は、縫合できる条件が限られており、下のリハビリ表で書いてあるように復


 

 

 

 

帰に時間がかかり、再断裂の恐れもある。しかし切除術と違い、縫い合わせるの


 

 

 

 

 

で、将来的に膝の変形は起こりにくくなっている。

 

 

 

 

 

〈リハビリテーション〉

 

 

 

 

 

 

ストレッチング→患部外トレーニング→患部の非荷重運動→患部の荷重運動

 

 

 

 

 

上記の順で行う。



 

 

 

 

膝は炎症を起こすとすぐに腫れるため、負荷調整は慎重に行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

患部の非荷重運動…大腿4方向、セッティング、ヒップリフトなど

 

 



 

 

 

患部の荷重運動…スクワット、ランジ、ジャンプなど

切除術後のリハビリテーションプログラム   縫合術後のリハビリテーションプログラム

当院での症例です。

受傷から復帰までの経過を載せております↓

右膝外側半月板損傷 19歳男性 フットサル

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コメント: 1
  • #1

    ATHLETE HOUSE (木曜日, 23 7月 2015 22:06)

    ケガや治療、リハビリなどについてご質問があれば、お気軽にコメントして下さい!
    少しお時間いただきますが、お返事させていただきます♪